著者
北島 尚治 北島 明美 渡邉 雄介 鈴木 衞
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.95-102, 2010 (Released:2010-10-15)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

メニエール病に対し副作用の少ない治療法としてハーブティー療法 (HTT) を考案した.メニエール病患者 15 名に対し,日本めまい平衡医学学会の治療効果基準に基づき,HTT 開始 6 か月前から,めまい回数記録,純音聴力検査,能力低下および耳鳴の自覚的評価に関するアンケートを毎月行い,HTT 開始以降の 12 か月間と比較した.めまい回数は効果判定基準に基づきめまい係数を算出した.HTT 施行例のうち 10 症例が再発せず良好な経過をみせた.めまい係数では 75%が軽度改善以上を示した.聴力は全例で悪化を認めなかった.能力低下アンケートでは改善傾向を認め,耳鳴アンケートでも悪化を認めなかった.再発 5 例もより少ない投与回数で症状のコントロールが可能であった.HTT は効果が緩やかであるため急性発作期の治療には向かないが,緩解期の再発予防には十分な効果を発揮し,急性期でも他の通常医療薬との併用で効果を高めることが期待された.
著者
北島 尚治 北島 明美 北島 清治
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.1, pp.55-62, 2020-01-20 (Released:2020-02-05)
参考文献数
24

耳管開放症は耳管が開放しているために鼻咽腔内の音や圧が低減衰のまま中耳に伝わる疾患で, 耳閉感や自声強聴, 自己呼吸音の聴取などが主訴となる. 症例は開放耳管を伴うダイバー患者14例である. ダイビングトラブルに関する詳細な問診, 耳管機能検査を含めた神経耳科的検査を施行した. 耳管機能検査には音響法とインピーダンス法を用いた. 14例中8例が耳違和感, 1例が中耳気圧外傷 (MEB), 5例が内耳気圧外傷 (IEB) であった. MEB 症例のうち1例は圧変動性めまい (AV) を生じていた. 14例中8例が浮上時に発症し, 急速潜降した2例で AV と IEB を生じた. 正常ダイバーとの比較で音響法・インピーダンス法ともに有意差を認めたが, 各患者の正常耳と患側耳との比較では音響法でのみ有意差を認めた. 内耳障害の有無での比較では, 耳管機能に有意差を認めなかった. 開放耳管ダイバー患者は急速潜降で内耳障害を生じやすく, 急速な圧変化に加え耳抜き時の過剰加圧が原因と思われた. 浮上時の IEB は中耳腔含気が膨張し蝸牛への過大な圧力を引き起こしたためと考えられ, 浮上速度を遅め嚥下運動で経耳管的に圧を逃がすことが対策と考えた.
著者
北島 明美
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.85-87, 2011 (Released:2011-06-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1