著者
佐藤 顕彦 西崎 到 冨山 禎仁 北根 安雄 杉浦 邦征
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.22-00138, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
19

本研究は,強化繊維に炭素繊維とガラス繊維を用いたハイブリッドFRP引抜成形材の屋外暴露による力学性能の低下と微細構造の変化を評価することを目的とした.CF/GFハイブリッドFRP引抜成形材を,茨城県つくば市にて2年および21年間暴露し,回収した供試体の外観観察,力学物性試験,SEM観察,IR分析を実施した.試験の結果,引張強度,せん断強度,曲げ強度が屋外暴露により低下し,その中でも90°方向の引張・曲げ強度の低下が顕著であった.さらに塗膜の有無による比較を行い,90°方向の引張強度と面内せん断強度で塗膜による保護効果を確認した.SEM観察からは,塗膜による樹脂脱落抑制効果が見られたが,暴露21年目では塗膜に微小な空隙が生じ保護効果が減少している可能性があることが明らかとなった.
著者
廣畑 幹人 寺口 大輝 北根 安雄
出版者
一般社団法人 日本鋼構造協会
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.26, no.101, pp.101_79-101_86, 2019-03-25 (Released:2020-03-12)
参考文献数
13

For investigating effect of heating and cooling process simulating fire on mechanical properties of Steels for Bridge High Performance Structure (SBHS), a series of experiment was carried out. The heating of 600℃ did not change the mechanical properties of SBHS from those without heating and cooling. The heating of 900℃ and air cooling decreased the mechanical properties of SBHS due to softening. The heating of 900℃ and water cooling increased the ultimate strength due to hardening; however, it decreased the yield stress and elongation of SBHS to the level below that required by JIS.
著者
北根 安雄
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,鋼板添接補修およびCFRP接着補修による腐食した鋼管杭の性能回復に与える腐食粗さの影響を明らかにするため,腐食粗さを有する減肉鋼管杭と補修後の鋼管杭について有限要素法により検討した.減肉鋼管の静的曲げ耐荷力は,平均板厚が同じでも腐食粗さによりばらつきが生じるが,補修後耐荷力のばらつきは,補修前に比較して小さくなる.また,CFRP接着補修において,断面欠損部に表面粗さが存在する場合,粗さの振幅が大きくなるにつれ鋼板最小板厚部分の応力が大きくなり,欠損部の最小板厚を基準として補修に必要なCFRP板の板厚を設計しても,粗さのない場合の応力まで回復できないことが明らかとなった.