著者
北條 礼子 渡邊 由紀子 熊井 信弘
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.513-526, 2002

本研究の目的は,公立小学校への英語導入に関して,教職の有無によって意識に違いがあるかどうかを明らかにすることである。2000年9月に本学大学院1年生215名(教職経験者134名,教職未経験者81名)を対象に,27項目から成るアンケートを用いて集団調査を実施した。集計結果は,分散分析,因子分析,x^2検定により分析した。その結果,公立小学校への英語導入の利点として,教職経験者は教職未経験者と比べると,英語導入によって,「内容を全体的に捉える力が伸ばせる」とも「広い視野と柔軟な思考力を養える」とも感じていないことが明らかになった。また,公立小学校への英語導入の問題点として,教職経験者,未経験者とも小学校での英語担当日本人教月の不足,1クラスの人数が多すぎることを問題点として捉えていることや,教職未経験者が地域に英語導入は当然という雰囲気があると感じていることがわかった。In 2002, English will be introduced to some public elementary schools as one of the alternatives under the newly started curriculum, General Studies. The purpose of this study is to compare how teachers and students in pre-service training feel about this movement. The survey was conducted in July of 2002 with 215 graduate school students of Joetsu University of Education (134 teachers and 81 teachers-to-be), using 27 questionnaire items. The data were analyzed by ANOVA, factor analysis and a chi-square test. The results revealed that: 1) teachers do not necessarily feel that English will enhance the flexibility of pupils' thinking; 2) both teachers and teachers-to-be feel that there are few Japanese teachers who could teach English at elementary school and that there are too many pupils in one class; and 3) teachers do not feel that introducing English into elementary school is strongly expected by pupils' parents and communities.
著者
松崎 邦守 北條 礼子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.157-160, 2008
被引用文献数
2

内省を重視した教員養成という観点から,英語科教育実習でポートフォリオを適用し,その効果をPAC分析により検討した.その結果,同活用により,実習生が授業を自発的に振り返るとともに意欲的に授業改善を試み,また教職への自信を持てるようになったことが推察された.また,指導教員と実習生との協同の場としてのポートフォリオを用いたカンファレンスが実習生の成長において重要な要因となったことが示唆された.さらに,改善点として,ポートフォリオ作成の時間的・労力的負担の軽減やガイドラインの詳しい説明の必要性が示唆された.