著者
八塚 正四 土岐 彰 鈴木 淳一 真田 裕 千葉 正博 五味 明
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.154-158, 2005

【目的】肥厚性幽門狭窄症(以下, 本症)に対するRamstedt手術は比較的若い外科医が執刀することの多い手術であるが, その術者の実態に関する報告はほとんどない.そこで, 小児外科卒後研修の観点から術者の至適開始時期について検討した.【対象・方法】過去15年間に当科で経験した本症手術91例の術者と第一助手の卒後年数や内訳, 手術時間, 術後合併症などについて調査した.当科の標準術式はRandolph法に準ずる右上腹部開腹到達法で, 術後の経口開始時期は全例翌朝としている.【結果】94件中33件(35%)は卒後5年以上の小児外科専従医, 61件(65%)が卒後5年未満の小児外科専攻医によって行われ, このうち卒後2年目が23件(38%)を占め, もっとも多かった.新生児症例においても25件中15件(60%)を卒後5年未満の小児外科専攻医が執刀し, 卒後3∿4年目が9件(60%)を占めた.第一助手は68件(72%)を日本小児外科学会認定指導医, 26件(28%)を同認定医が務めた.手術の平均時間は卒後年数とともに60分から38分に短縮していたが, 本症特有の合併症はみられなかった.【結論】本学会認定指導医またはそれに準ずる経験者による介助の下であれば, 卒後5年未満の小児外科専攻医も安全に手術を行うことができる.
著者
明石 正和 千葉 正
出版者
城西大学
雑誌
城西大学研究年報. 自然科学編 (ISSN:09149775)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.81-91, 1997-07

平成8年度関東大学男子バレーボール春季3部リーグ戦で, Jチームと対戦した5チーム, 10試合をVTRに収録し, Jチームと対戦するチームのブロック力の比較検討を行うと共に, Jチームの各ローテーション別のブロック力の現状について検討した結果は, 次のとおりであった。(1)ブロック決定力は, JチームではMチームよりやや劣るが, その他のチームよりやや優れるか, 明らかに優れる値を示した。(2)ブロック阻止率は, Jチームでは, 上位チームのMチーム, Nチームより明らかに劣る値を示した。しかし, ブロック力では, Nチームとほぼ同じ値を示し, レシーブ力では, Mチームよりやや優れた値を示した。(3)ワンタッチボール率は, 各試合, 両チーム共, 相当高い値を示した。Jチームでは, 相手の速攻に対してボールに触れる割合がやや劣る値を示した。(4)2人以上ブロック参加率は, Jチームでは全ての対戦チームより, ほぼ同じ値か, 明らかに劣る値を示した。相手の攻撃に対して, 2人以上で組みで跳んでないことと, 味方攻撃に対して, ブロックしやすい攻撃であることが明らかになった。(5)各ローテーション別でみると, ブロック力を強化するため, 大型セッターを育成すると共に, セッター(S)の前・後のレシーブ力を高めることが必要である。(6)ブロックできなかった原因は, ブロックに跳ぶコースの不正確さ, ブロックに跳ぶタイミングが悪い点が明らかになった。今後は, 相手チームの攻撃方法や選手個人の特徴を把握し,試合中にブロッカーが自主的に対応できる能力(予測とす早さ)を養える技術練習を多く取り入れることが重要である。