- 著者
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明石 正和
千葉 正
- 出版者
- 城西大学
- 雑誌
- 城西大学研究年報. 自然科学編 (ISSN:09149775)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, pp.81-91, 1997-07
平成8年度関東大学男子バレーボール春季3部リーグ戦で, Jチームと対戦した5チーム, 10試合をVTRに収録し, Jチームと対戦するチームのブロック力の比較検討を行うと共に, Jチームの各ローテーション別のブロック力の現状について検討した結果は, 次のとおりであった。(1)ブロック決定力は, JチームではMチームよりやや劣るが, その他のチームよりやや優れるか, 明らかに優れる値を示した。(2)ブロック阻止率は, Jチームでは, 上位チームのMチーム, Nチームより明らかに劣る値を示した。しかし, ブロック力では, Nチームとほぼ同じ値を示し, レシーブ力では, Mチームよりやや優れた値を示した。(3)ワンタッチボール率は, 各試合, 両チーム共, 相当高い値を示した。Jチームでは, 相手の速攻に対してボールに触れる割合がやや劣る値を示した。(4)2人以上ブロック参加率は, Jチームでは全ての対戦チームより, ほぼ同じ値か, 明らかに劣る値を示した。相手の攻撃に対して, 2人以上で組みで跳んでないことと, 味方攻撃に対して, ブロックしやすい攻撃であることが明らかになった。(5)各ローテーション別でみると, ブロック力を強化するため, 大型セッターを育成すると共に, セッター(S)の前・後のレシーブ力を高めることが必要である。(6)ブロックできなかった原因は, ブロックに跳ぶコースの不正確さ, ブロックに跳ぶタイミングが悪い点が明らかになった。今後は, 相手チームの攻撃方法や選手個人の特徴を把握し,試合中にブロッカーが自主的に対応できる能力(予測とす早さ)を養える技術練習を多く取り入れることが重要である。