著者
野中 敬 君塚 善文 坂口 隆 今城 健人 千葉 秀幸 岡田 和久 斯波 忠彦 厚川 和裕 高橋 久雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.1556-1562, 2009 (Released:2012-07-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は62歳女性.心窩部痛を主訴に来院し,精査加療目的で入院した.上部消化管内視鏡検査で幽門前庭部に浅い地図状の潰瘍を認め,胃体部から胃底部では特異な扁平隆起性病変が多発していた.酵素抗体法にて胃生検組織中にTreponema pallidumを証明し胃梅毒と確定診断した.本例では駆梅療法開始前に胃病変の部分的な自然緩解がみられ,第2期梅毒においては皮疹と同様,胃病変も自然緩解する事が推察された.