著者
田籠 泰明 生田 拓也 阿南 敦子 西野 剛史 束野 寛人 笠 智就
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.32-36, 2016-03-25 (Released:2016-05-16)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

足関節脱臼骨折は多くの場合容易に徒手整復可能である.Bosworthは1947年に腓骨が脛骨後面に転位固定される整復困難な足関節脱臼骨折を報告した.我々は2004年にBosworth型足関節脱臼骨折の1症例を報告し,その後さらに2症例を経験した.3症例とも無麻酔下に徒手整復を試みたが整復困難であり,観血的整復術を行った.足関節脱臼骨折において整復困難な症例では本脱臼骨折を念頭に置き,CT撮影で病態を把握し,準緊急的に整復術を行うことが必要であると考える.
著者
己斐 澄子 手島 英雄 南 敦子 片瀬 功芳 山脇 孝晴 星 利良 藤本 郁野 山内 一弘 荷見 勝彦 都竹 正文
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.1048-1053, 1994 (Released:2011-11-08)
参考文献数
9

閉経後の患者で, 細胞診で老人性変化が主体で一部にHPV感染を疑う所見を認めたが, 十分なHPV感染細胞所見を示さなかった8症例にエストロゲン (プレマリン) 負荷を施行した. 抱合型エストロゲン, プレマリン1.25mgを2週間経口投与した. 投与前は少数のkoilocyteやparakeratocyteを認めただけであったが, 投与後は, 炎症性背景が消失し, parakeratosis 100%(8/8), koilocytosis 75%(6/8), smudged様濃染核75%(6/8), giant cell 50%(4/8), multinucleation62.5%(5/8) の率でHPV感染に特徴的な細胞所見が出現した.HPV-DNAは, Southern blot法で5例を検索し, 100%(5/5) 陽性であった. ISH (in situ hybridization) 法で他の3例を検索し, 33%(1/3) がHPV-DNA陽性であった.エストロゲン投与は, 老人性膣炎と悪性細胞を鑑別するだけでなく, 老人性膣炎でのHPV感染診断に有用であった. 老人性変化, 老人性膣炎症例でHPV感染を示唆する細胞が出現している場合, エストロゲン (プレマリン) 投与により, さらにHPV感染細胞所見が明瞭となることがわかった.