著者
加河 茂美 南齋 規介 森口 祐一 熊田 正次郎
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.79-79, 2005

本研究では,家計消費という主要な排出源から捉えることが重要だと考え,各家計の世帯属性の違いが産業廃棄物発生に与える影響を定量的に評価した.その結果,産業廃棄物発生に影響力の大きい属性は収入,年齢であることが分かった.収入の違いによって生活必需品,贅沢品の消費性向が大きく異なるため収入が低い世帯ほど発生原単位が大きく,また年齢の違いによる選好,食生活等の生活スタイルの違いから年齢が低い世帯ほど発生原単位が大きい傾向にあることが分かった.
著者
東野 達 山本 浩平 南齋 規介 小南 裕志
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

化学輸送モデルを用いた人為起源二次粒子生成量の評価には、人為起源のみならず植物起源VOC発生量の正確な推定が必要であるが、東アジアにおける実測例は極めて少ない。前年度はコナラ個葉のイソプレン放出速度を計測したが、森林全体からの放出量推定精度を検証するため、簡易渦集積(REA)法を用いてコナラ群落からのイソプレン放出フラックスを夏〜冬に実測した。その結果、イソプレンの放出は気温と日射量に相関があり、紅葉により葉が黄色に変色するとイソプレン放出がなくなること、盛夏時のイソプレンフラックスはアマゾンの実測値を凌ぐことが初めて明らかとなった。一方、個葉の実測値とモデル式に基づく積み上げ法による森林全体のイソプレン推定放出量と、REA法による正味のイソプレンフラックスとの間には約1〜3割の差があり、イソプレンの森林内での分解や再吸収について観測する必要性が分かった。これらのデータはわが国で初めて得られた成果である。大気化学輸送モデルを用いて、わが国三地域への二次汚染物質沈着量の寄与度を日中韓の4部門について評価した。その結果、夏・冬に中国、建築・製造部門からの硫酸塩の寄与が大きいことが示された。二次粒子影響ポテンシャルによる経済部門の相互依存性解明の前段として、日本、中国などのアジア諸国と米国を含む10ヶ国のアジア国際産業連関表をもとに、各国の76経済部門におけるエネルギー消費量を各種統計データから推計し、さらにCO_2排出量に変換して部門別内包型原単位を求めた。対象10ヶ国の内包CO_2排出量のうち中国、米国が突出しているが、米国は他国への誘発量が最も多く、逆に中国は他国への誘発量は少なく他国からの誘発量が最大であることが明らかとなった。また、日本の最終需要による海外誘発量は、電力部門が最大で次いで輸送部門であることが分かった。