著者
若杉 晃介 原口 暢朗
出版者
土壌物理学会
雑誌
土壌の物理性 (ISSN:03876012)
巻号頁・発行日
vol.121, pp.35-42, 2012 (Released:2021-08-26)
参考文献数
2
被引用文献数
1

東京電力福島第1原発の事故に伴い,広範囲にわたる地域が放射性物質により汚染され,土壌中の放射性物質濃度が高い農地では栽培が制限されている.これらの農地において放射性物質は,表層 2~3 cmに集積していることから,この土壌層の選択的な除去は,確実な除染効果が期待できる.一方,一般的な建設機械による従前の操作では,剥ぎ取り厚さの制御が困難であり,処理土量の増加や施工費の増大,取り残しの発生など,多くの問題が懸念されている.そこで,土壌固化剤を用いて汚染土壌層を固化し,油圧ショベルの操作方法やバケットを改良することで,剥ぎ取り厚さを表層から2~3cm に制御でき,かつ安全・確実に剥ぎ取る工法を開発した.
著者
塩野 隆弘 原 貴洋 山元 伸幸 原口 暢朗 生駒 泰基
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.75, no.9, pp.817-820,a2, 2007-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11

サトウキビ栽培圃場における労力的・経済的負担が少ない営農的赤土流出防止対策法として, 草生帯とソバ栽培導入による対策技術に着目し, これらの赤土流出に対する有効性とその負担について調査した。野外試験の結果, 設置幅0.5mの草生帯とソバ栽培導入による対策の赤土流出軽減率はそれぞれ68%と39%で, 赤土流出に対する有効性が示唆された。また, これら対策の実施による負担費用はサトウキビの粗収益の3~4%と試算された。ソバ栽培導入による対策では, ソバワラ生産量の増加によって対策効果の向上が期待でき, ソバ子実収穫量の増加により負担経費の削減が期待できることが示唆された。