著者
塩野 隆弘 原 貴洋 山元 伸幸 原口 暢朗 生駒 泰基
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.75, no.9, pp.817-820,a2, 2007-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11

サトウキビ栽培圃場における労力的・経済的負担が少ない営農的赤土流出防止対策法として, 草生帯とソバ栽培導入による対策技術に着目し, これらの赤土流出に対する有効性とその負担について調査した。野外試験の結果, 設置幅0.5mの草生帯とソバ栽培導入による対策の赤土流出軽減率はそれぞれ68%と39%で, 赤土流出に対する有効性が示唆された。また, これら対策の実施による負担費用はサトウキビの粗収益の3~4%と試算された。ソバ栽培導入による対策では, ソバワラ生産量の増加によって対策効果の向上が期待でき, ソバ子実収穫量の増加により負担経費の削減が期待できることが示唆された。
著者
原 貴洋 照屋 寛由 塩野 隆弘 生駒 泰基 手塚 隆久 松井 勝弘 道山 弘康
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.151-158, 2008 (Released:2008-05-23)
参考文献数
36
被引用文献数
2 3

南西諸島に適した普通ソバ品種の導入,開発に資するために,沖縄本島の名護市において国内の普通ソバ5品種を11月上旬,12月下旬,3月上旬の3時期に播種して栽培し,成熟期に農業関連形質を調査した.いずれの作期においても,150粒 m-2 とした密播処理区の子実収量は50 粒m-2 とした粗播処理区に比べて1.3~3.4倍高かった.主茎長,初花節位,主茎花房数,花房あたり開花数は,日本の他地域での試験栽培で報告された値に比べて少なく,その一因として,栽培期間中の短日条件の影響が考えられた.主茎長,主茎花房数,花房あたり開花数,千粒重についての品種間差は,日本の他地域での試験栽培で報告された順序とほぼ一致していたため,他地域において認められる形質の品種間差は南西諸島においても類似していると考えられた.生育期間中に極度の短日条件が続く11月上旬播種,12月下旬播種の作期においては,子実収量と,主茎花房数および個体当たり花房数との間に有意な正の相関が認められた.