著者
古川 猛夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.752-760, 1984-09-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
30

ポリフッ化ビニリデンおよびその共重合体は,50MV/m以上の電界により強誘電的スイッチング現象を示す.スイッチング時間は電界にきわめて強く依存し,高電界ではμ8になる.反転分極量は100~160mC/m2で,結晶域の自発分極はほぼ完全に反転することを示唆する.高分子強誘電体はラメラ状結晶の集合体で,個々のラメラ内で1本の分子鎖の回転を素過程として核生成と成長機構により分極が反転すると考えられる.このような毛デルによる計算機シミュレーションは,案灘のスイッチング曲線をよく再現する.
著者
古川 猛夫
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.868-871, 1987-12-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
22
被引用文献数
2
著者
古川 猛
出版者
茨城県警察本部
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014

この研究は、機器による筆跡画線の質の測定、及び定量的な評価方法の開発を目的とした。筆跡には、画線の幅、濃淡、曲率、筆圧痕の深さ等のさまざまな指標が含まれている。しかし、実際の法科学における筆跡鑑定ではそれらを定量的に評価する手法、機材が開発されておらず、鑑定人の感覚に頼った状態が続いている。そこで、筆跡の輪郭線を信号と捕らえて、ウェーブレット分解により高次から低次に渡る周波数成分を検出した。その後、得た特徴量を指標として筆跡の輪郭線の滑らかさ、粗雑さを評価した。まず、被験者10名により縦、横、右下がり、左下がりの4方向別の短い線分をタブレット上に置かれた用紙に10回繰り返して記載する実験を行った。次に、筆跡画像を光学解像度5400dpiでフラットベッド型イメージスキャナにより撮影した。その画像に対して前処理として二値化、輪郭線抽出を行った。以上の輪郭線の差分を計算し、波状のプロファイルを得た。同プロファイルを5段階のスケールを使用したウェーブレットにより処理して分解プロファイルを得た。10名の被験者が10回繰り返して記載した4方向別の線分から得られた5段階の分解プロファイル、計2000個を評価するために、主成分分析を用いてデータの次元を圧縮した。識別には、部分空間法を用いた。特徴量(固有値)の分布の線形性、及び非線型性を考慮した筆者機別実験を行った結果、半数のデータで正しい識別結果を得た。