著者
永野 幸生 山本 雅史 古藤田 信博
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

最先端分析機器「次世代シーケンサー」を用いてDNAを分析することで、様々なカンキツの類縁関係を調べた。その結果、既知の知見をより厳密に再確認し、さらに、新規な発見をした。中でも特筆すべき発見は、新たに命名したヒマラヤンライムの発見である。ブータンで見つけたヒマラヤンライムは、世界中で知られているメキシカンライムと形態的に似ているが、DNAを調べるとメキシカンライムとは異なるものであった。
著者
小森 貞男 副島 淳一 伊藤 祐司 別所 英男 阿部 和幸 古藤田 信博
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.917-926, 1998-11-15
参考文献数
20
被引用文献数
4 2

'金星'と'レッドゴールド'および'千秋'と'いわかみ'の不和合性を手がかりとして,'デリシャス','ふじ','ゴールデン・デリシャス','はつあき','紅玉','国光','千秋','東光'とそれらの交雑実生を用いて主要栽培品種のS遺伝子型解析を試みた.その結果6つのS複対立遺伝子と7つのS遺伝子型の存在が示唆され,9品種のS遺伝子型を以下のように決定した.(S_Ja, S_Jb)='ゴールデン・デリシャス'(S_Ja, S_Jd)='東光'(S_Jc, S_Jd)='紅玉','ひめかみ'(S_Jc, S_Je)='デリシャス'(S_Jc, S_Jf)='ふじ'(S_Jd, S_Jf)='千秋','いわかみ'(S_Je, S_Jf)='国光'また'東光'のS_Jd因子は'印度'に由来していることが明らかになった.さらに'金星'と'レッドゴールド'のS遺伝子型は(S_Ja, S_Je)または(S_Jb, S_Je)のいずれかであり,'はつあき'のS遺伝子型は(S_Ja, S_Jc)または(S_Jb, S_Jc)と考えられる.
著者
森谷 茂樹 岩波 宏 古藤田 信博 髙橋 佐栄 山本 俊哉 阿部 和幸
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.279-287, 2009-07-01
被引用文献数
1 29

カラムナータイプリンゴの育種を進展させるため,ゲノム上の <i>Co</i> 周辺領域について連鎖地図を構築し,実際の育種においてカラムナータイプの実生を正確かつ効果的に選抜できる DNA マーカーを同定した.3つのマッピング集団においてリンゴ第10連鎖群の連鎖地図を構築し,2つの集団,'ふじ' × 8H-9-45 と'ふじ' × 5-12786 において <i>Co</i> がマッピングされた.<i>Co</i> 近傍にマップされた DNA マーカーである SCAR<sub>682</sub>,SCAR<sub>216</sub>,CH03d11,Hi01a03 について,カラムナータイプの33品種・系統と,カラムナータイプではない日本のリンゴ育種における7つの祖先品種のマーカー遺伝子型を決定した.Hi01a03 の 174 bp の増幅断片は全てのカラムナータイプ品種・系統および'旭'で検出されたが,その他の祖先品種では検出されなかった.SCAR<sub>682</sub> の 682 bp,CH03d11 の 177 bp の増幅断片は1系統を除く全てのカラムナータイプ品種・系統および'旭'において検出されたが,その他の祖先品種群では検出されなかった.また,18 交雑組合せから得られたカラムナータイプ個体全 170 個体において,<i>Co</i> 近傍にマップされたマーカーを検出した結果,SSR マーカー CH03d11 の 177 bp のアリルが全ての個体で検出されたことから,CH03d11 が <i>Co</i> と最も近接するマーカーと考えられた.これらの結果より,CH03d11 がマーカー選抜においてカラムナータイプとカラムナータイプでない個体を区別する最も信頼できるマーカーであると考えられた.5-12786 などの,果樹研究所における現在最も改良の進んだ 2 つのカラムナータイプ選抜系統は,いずれもカラムナー性の起源品種'Wijcik'に由来する CH03d11 の 177 bp と Hi01a03 の 174 bp(<i>Co</i> 連鎖アリル)を保持していることから,育種プログラムにおいてこれらの系統をカラムナータイプの交雑親として用いる際は,CH03d11 と Hi01a03 によってカラムナータイプ個体を効率的に選抜することが可能となる.<br>
著者
小森 貞男 副島 淳一 伊藤 祐司 別所 英男 阿部 和幸 古藤田 信博
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.569-577, 1999-05-15
被引用文献数
2

日本で栽培されているリンゴ主要品種の不和合性遺伝子型を交雑試験によって決定する目的で, まず果樹試験場リンゴ支場育成の2品種'はつあき'および'いわかみ'の戻し交雑実生群を用いて実験を行った.'はつあき'戻し交雑実生群には'はつあき'の親である'紅玉'と'ゴールデン・デリシャス'を, 'いわかみ'戻し交雑実生群には'ふじ'と'紅玉'をそれぞれ交雑し, 各交雑組合せごとに和合 : 不和合の分離比を調査することにより, 'ゴールデン・デリシャス'と'紅玉', 'ふじ'と'紅玉'のS遺伝子の共有状態を推定した.その結果'紅玉'と'ゴールデン・デリシャス'はS遺伝子を共有していなとが明らかとなった.一方'ふじ'と'紅玉'はS遺伝子を1つ共有していることが判明した.
著者
小森 貞男 副島 淳一 工藤 和典 京谷 英壽 阿部 和幸 古藤田 信博 小松 宏光 伊藤 祐司 別所 英男
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.880-889, 1998-11-15
参考文献数
16
被引用文献数
4 2

前報で設定した各S遺伝子型に対応した品種・系統を利用して,栽培品種を中心により広範に品種・系統のS遺伝子型の解析を試みた.その結果15種類のS遺伝子型のうち(S_Jb, S_Je)および(S_Je, S_Jd)型を除く13種類で品種との対応が以下のように明らかになった.下線を付したものが,今回新たにS遺伝子型が判明した品種・系統である.[table]
著者
小森 貞男 副島 淳一 工藤 和典 小松 宏光 京谷 英壽 伊藤 祐司 別所 英男 阿部 和幸 古藤田 信博
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.73-82, 1999-01-15
被引用文献数
2 3

前報までに品種との対応のつかなかった(S_Ja, S_Jc), (S_Ja, S_Je), (S_Ja, S_Jf), (S_Jb, S_Jc), (S_Jb, S_Jd), (S_Jb, S_Je), (S_Jb, S_Jf), (S_Jd, S_Je)の各S遺伝子型に対応する品種・系統を選抜するため, 'はつあき', 'レッドゴールド'および'金星'のS遺伝子型の解析, 'はつあき'戻し交雑実生群, 'いわかみ'と'ゴールデン・デリシャス'の交雑実生群, '国光'X'紅玉'の交雑実生群の解析を行った.その結果, 以下に示した15種類のS遺伝子型に対応する品種・系統が決定された.そのうち下線を施した品種・系統のS遺伝子型が本報告で新たに判明したものである.(S_Ja, S_Jb)'ゴールデン・デリシャス' (S_Ja, S_Jc) <(4)-424>___-, <(4)-425>___- (S_Ja, S_Jd) '東光' (S_Ja, S_Je) <'レッドゴールド'>___-, <'金星'>___-, <カロ不明>___-, <レロ18>___- (S_Ja, S_Jf) <(4)-4186>___-, <(4)-4195>___- (S_Jb, S_Jc) <'はつあき'>___-, <盛岡52号>___-, <(4)-511>___- (S_Jb, S_Jd) <(4)-300>___-, <(4)-330>___-, <(4)-725>___-, <(4)-4189>___-, <(4)-4190>___- (S_Jb, S_Je) <(4)-150>___-, <(4)-743>___- (S_Jb, S_Jf) <盛岡53号>___-, <(4)-1>___-, <(4)-6>___-, <(4)-15>___-, <(4)-516>___-, <(4)-4187>___-, <(4)-4270>___-, <(4)-4271>___- (S_Jc, S_Jd) '紅玉', 'ひめかみ' (S_Jc, S_Je)'デリシャス', <(4)-161>___-, <(4)-247>___-, <(4)-267>___- (S_Jc, S_Jf) 'ふじ', <'新光'>___-, <イ-661>___-, <(4)-69>___-, <(4)-104>___- (S_Jd, S_Je) <東北5号>___-, <イ-172>___- (S_Jd, S_Jf)'千秋', 'いわかみ', <イ-687>___- (S_Je, S_Jf) '国光'