著者
光山 慶一 増田 淳也 山崎 博 桑木 光太郎 北崎 滋彦 古賀 浩徳 内田 勝幸 佐田 通夫
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.143-147, 2007 (Released:2007-05-31)
参考文献数
15

プロピオン酸菌による乳清発酵物は,乳清をエメンタールチーズ由来のプロピオン酸菌で発酵させて製造したプレバイオティクスである.その主要成分である1,4-dihydroxy-2-naphthoic acidはビフィズス菌を特異的に増殖させ,腸内環境を宿主に有益な方向へ導くことが可能である.我々は,本食材が実験大腸炎モデルや潰瘍性大腸炎患者に有用であることを明らかにした.本稿では,これまでに報告されたプロピオン酸菌による乳清発酵物の特性について概説するとともに,潰瘍性大腸炎への治療応用について述べる.
著者
森山 悦子 岩本 英希 新関 敬 永山 綾子 城野 智毅 下瀬 茂男 中野 聖士 野田 悠 鈴木 浩之 酒井 味和 黒松 亮子 古賀 浩徳 野村 政壽 川口 巧
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.37-44, 2024-01-01 (Released:2024-01-10)
参考文献数
16

atezolizumab+bevacizumab併用療法(atezo+beva)はIMbrave150試験の結果に基づき,本邦でも肝細胞癌の一次治療薬となった.atezo+bevaは,実臨床においてもその有用性が示されている一方で,免疫関連有害事象(irAE)の報告も増加している.今回,我々は切除不能肝細胞癌に対しatezo+beva後に下垂体性副腎皮質機能低下症を生じた3例を経験したため報告する.3症例ともに,主訴は倦怠感であり,低血圧と著明な低Na血症を認めていた.血清ACTH値の増加は認めなかったが,血清コルチゾール値の低下を認め,下垂体性副腎皮質機能低下症の診断に至った.ヒドロコルチゾンの投与により全例で速やかに症状の改善を認めた.免疫チェックポイント阻害剤投与時には様々なirAEが出現し得るが,副腎皮質機能低下症による低Na血症および低血圧症も念頭に入れ,診療に携わる必要がある.
著者
久持 顕子 神代 龍吉 古賀 郁利子 田中 英介 井出 達也 日野 照子 村島 史朗 緒方 啓 桑原 礼一郎 古賀 浩徳 宍戸 昌一郎 上野 隆登 佐田 通夫 江口 尚久
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.100, no.3, pp.333-336, 2003-03-05 (Released:2011-06-17)
参考文献数
8

症例は51歳女性, 1989年より2型糖尿病と高脂血症でグリベンクラミドなどで加療中であった. ピオグリタゾンの追加投与開始81日後に, 肝細胞型肝障害が認められた, 同薬の中止4週間後に肝機能は正常化した. チトクロームP450 (CYP) 2C19遺伝子型は2/2, CYP2C9遺伝子型は1/1であった. トログリタゾンと類薬の本剤によっても肝障害のおこる可能性があり, 注意が必要と思われる.