著者
飯野 久和 青木 萌 重野 千奈美 西牟田 みち代 寺原 正樹 粂 晃智 水本 憲司 溝口 智奈弥 小泉 明子 竹田 麻理子 尾﨑 悟 佐々木 一 内田 勝幸 伊藤 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.171-184, 2013 (Released:2013-09-11)
参考文献数
44
被引用文献数
2 3

【目的】プロバイオティクスを添加していないブルガリアヨーグルトの整腸作用を調べるため,ブルガリアヨーグルトの摂取による糞便中ビフィズス菌増加作用をランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で評価する。【方法】女子学生62名をヨーグルト摂取群(ブルガリアヨーグルトを摂取する群)と酸乳摂取群(ヨーグルトと同じ乳成分からなる乳飲料に乳酸を加えてヨーグルトと同じpHとした酸性乳飲料を摂取する群)に分けた。両群ともに摂取前観察期(2週間),ブルガリアヨーグルトまたは酸乳を1日 100 ml摂取する摂取期(4週間:前半2週間,後半2週間),摂取後観察期(2週間)を設け,糞便中の腸内細菌叢の解析を2週間毎に行い,糞便中ビフィズス菌数を調べた。【結果】試験の除外対象者(過敏性腸症候群様の者,抗生剤の使用者等)および脱落者を除いた女子学生(ヨーグルト摂取群が20名,酸乳摂取群が25名)を評価対象として統計解析した。試験食品を4週間摂取した際の糞便中ビフィズス菌の生菌数は,酸乳摂取群に比較してヨーグルト摂取群が有意に高値となった。【結論】以上の結果より,ブルガリアヨーグルトの摂取によって糞便中ビフィズス菌数が増加し,腸内細菌叢が改善されることが示された。
著者
内田 勝幸 野口 裕司 荒川 礼二郎 橋本 佳子 五十嵐 康子 本多 秀雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.293-300, 1992 (Released:2007-02-13)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

塩酸アンブロキソール(アンブロキソール)の気道粘液分泌および肺表面活性リン脂質分泌に対する効果をそれぞれラットおよびモルモットを用いて検討した.気道粘液分泌に対しては組織学的および生化学的に検討した.アンブロキソールは用量依存的に気道のムコ多糖を増加させ,肥厚した杯細胞数も用量依存的に増加した.また,中性ムコ多糖も有意に増加し,組織学的には気管腺の肥厚およびPAS陽性物質の増加が認められた.このことは,アンブロキソールが気管腺においては漿液性の粘液分泌を亢進させることを示唆する成績と考えられた.一方,肺洗浄液中のホスファチジルコリンはアンブロキソール投与により有意な増加を示さなかったが,飽和のホスファチジルコリンが占める割合は有意に増加し,アンブロキソールの肺表面活性リン脂質の分泌亢進作用を示唆する成績であった.以上の結果からアンブロキソールの去痰作用の機序として気道粘液分泌および肺表面活性リン脂質分泌の亢進作用が考えられた.
著者
光山 慶一 増田 淳也 山崎 博 桑木 光太郎 北崎 滋彦 古賀 浩徳 内田 勝幸 佐田 通夫
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.143-147, 2007 (Released:2007-05-31)
参考文献数
15

プロピオン酸菌による乳清発酵物は,乳清をエメンタールチーズ由来のプロピオン酸菌で発酵させて製造したプレバイオティクスである.その主要成分である1,4-dihydroxy-2-naphthoic acidはビフィズス菌を特異的に増殖させ,腸内環境を宿主に有益な方向へ導くことが可能である.我々は,本食材が実験大腸炎モデルや潰瘍性大腸炎患者に有用であることを明らかにした.本稿では,これまでに報告されたプロピオン酸菌による乳清発酵物の特性について概説するとともに,潰瘍性大腸炎への治療応用について述べる.
著者
最上 おりえ 内田 勝幸
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.81-87, 2012 (Released:2014-03-15)
参考文献数
15

Alamin 996 is a mixture of mineral contained in the milk whey and has been reported to be effective against dysmenorrhea This study aimed to investigate the effect of Alamin 996 on the prostaglandin F2α (PGF2α)-induced contraction in the isolated rat uterus. PGF2α induced the rhythmic contraction. The frequency of this contraction was concentration-dependently inhibited by Alamin 996, but the contractile force was not significantly affected. To clarify this inhibitory mechanism by Alamin996, the effects of BAY K 8644, Ca2+ channel agonist, and dantrolene, inhibitor of the calcium-induced calcium release from the endoplasmic reticulum, were tested. The inhibitory effect on the rhythmic contractile frequency by Alamin 996 was significantly and concentration-dependently attenuated by the addition of BAY K 8644, suggesting Alamin 996 did not affect on the smooth muscle contractile function. Even under the pretreatment with dantrolene, Alamin 996 concentration-dependently inhibited the rhythmic contractile frequency, suggesting no involvement of ryanodine receptor on the effect of Alamin 996. Alamin 996 was found to inhibit phospholipase C activity by in vitro study. The effect of Mg2+ containing Alamin 996 was tested. Mg2+ significantly and concentration-dependently inhibited the frequency of PGF2α-induced rhythmic contraction. Moreover, contractile force was also markedly inhibited, suggesting the difference of the inhibitory mechanism between Alamin 996 and Mg2+ sulfate. These results show that Alamin 996 inhibits the PGF2α-induced rhythmic contractile frequency without affecting the contractile force and that this inhibitory action mediated by inhibiting calcium release from the endoplasmic reticulum through phospholipase C may explain the utility of Alamin 996 against dysmenorrhea.