著者
野田 進治 野口 弘三 古賀 秀昭
出版者
佐賀県玄海水産振興センター
雑誌
佐賀県玄海水産振興センター研究報告 = Bulletin of Saga Prefectural Genkai Fisheries Research and Development Center (ISSN:13429205)
巻号頁・発行日
no.3, pp.21-24, 2005-03

1.形状の異なるイカ篭に産卵基質であるイヌツゲの代替品について試験を行ったところ、産卵基質としてポリモンが、キンラン、ロープ、ヒサカキより有効であるとの結果が得られた。また、コウイカの産卵は、イカ篭の形状より産卵基質に対する選択性が強いと推察された。2.コウイカの入篭がみられたのは卵が産み付けられていたイカ篭に限られていた。コウイカの入篭数はポリモン-円筒型とポリモン-折畳型が最も多く、次いで、ポリモン-半球型とキンラン-円筒型であった。3.コウイカ類以外の漁獲物としてはカワハギが最も多く、次いで、マダコで、その他にはカサゴ、マダイ、アイナメ、コノシロ、マハ夕、アミメハギ、キュウセン、テングニシ、バフンワニ、マナマコ等が入篭した。4.ポリモンは装着したいずれのイカ篭にもコウイカの産卵がみられ、コウイカも漁獲されたことから、イヌツゲの代替品として有効と考えられた。
著者
古賀 秀昭 荒巻 裕
出版者
佐賀県有明水産振興センター
巻号頁・発行日
no.26, pp.13-24, 2013 (Released:2014-01-30)

有明海湾奥部において,タイラギは干潮線付近から水深10数メートルの主に砂泥底に生息しており,その漁法は,従来,干潟での徒捕りと水深が深い場所での鋤簾曳きによる漁業が主であったが,1919年にヘルメット式潜水器が正式に導入された。それ以降,漁獲量は飛躍的に増加したものの,豊凶を繰り返してきた。しかしながら,1999年以降,漁場の縮小や立ち枯れ斃死等により100年近くのヘルメット式潜水器の歴史の中でも特異的な不漁が続いている。このような中,2008年に泥質の湾奥西部海域で稚貝の大量発生が見られ,2009年漁期まで順調に成育したことから,12漁期ぶりに貝柱で100トンを超える豊漁となった。この要因として,貝殻細片などの着底基質が海底表面に現れた状態の中,浮泥の堆積が極めて少なかったことによりタイラギ幼生の着底・変態が成功し,その後も極端な高水温,低比重,貧酸素に曝されなかったことなど,気象,海況にも恵まれたためと推察された。
著者
末廣 輝男 大久保 晃男 佐藤 憲夫 三浦 浩二 古賀 秀昭 太田 照明 大久 正敏 高橋 弘之
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.121-123, 1977

気柱の開口端で音叉を鳴らしながら気柱の長さを変化させ,音の強弱を耳で聴取して共鳴点を探る実験は従来から高校あるいは大学教養課程の物理学実験のテーマとして取上げられてきた.この実験は直接的である点で秀れているが,反面,音叉の振動が早く減衰すること,音圧最大の点を耳で判断するためにあいまいさが残ること,誤差を見積るのが難かしい等の問題がある.このため充分に定量的な実験とは言いかねる欠点があった.そこで音叉のかわりに低周波発振器と低周波増幅器に接続されたスピーカーを音源に用い,更に共鳴点ではスピーカーコーンの振幅が大きくなることを利用してスピーカーボイスコイルからコーンの振幅に比例した電圧を取出し,これをメータで読むことにより共鳴点を見出すことにした.これにより実験の精度および再現性が向上し,気柱の直径を変えた時の音速の変化等も検知することができた.
著者
古賀 秀昭 牧野 正三 城戸 健一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.795-801, 1990-10-01
被引用文献数
8

聴覚に関する生理学的及び心理学的知見から、ローカルピークが母音認識の手掛かりとして重要であると考えて、著者らは単語中の母音の認識をローカルピークを用いて行っている。しかし、これまで認識実験と聴取実験との比較検討は行われていない。今回、単語中の母音について聴取実験を行うと共に、同じ音声資料を用いてローカルピークと通常行われているLPCケプストラム係数による認識実験も行い、それらを比較検討した。認識実験は聴取実験で10人中の8人以上が正答したもので標準パタンを作成したもので行った。特徴量と識別規則を含めた検討の結果、部分的には差が見られないものもあるが、全体的にはローカルピークによる認識結果の方が聴取実験結果に近いという結果になった。