著者
古郡 規雄 下田 和孝
出版者
獨協医学会
雑誌
Dokkyo Journal of Medical Sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.259-265, 2020-10-25

パーソナリティとは,個人の感情,認識,欲望,行動のパターンにおける一貫性と一貫性を説明するために使用される抽象化されたものである.近年,ビッグ・ファイブ理論の一般的普及や,行動遺伝学,神経生物学等の発展を背景にして,パーソナリティに対する関心が高まっている.次元論的人格理論のうち代表的なものとしては,Cloninger による7次元モデルやCosta & McCrae によるビッグ・ファイブ理論がある.近年の分子遺伝学の進歩によりパーソナリティに関与する遺伝子は数多く,一つ一つの効果は小さいと結論づけられている.本稿では7次元モデルとビッグ・ファイブ理論を紹介し,過去に我々が行った研究ではドパミンDRD4遺伝子多型は新規性追求と血液型ABO 遺伝子多型が固執に影響を及ぼしていた.今後は,脳画像研究や神経生理学的検証でさらなる確認試験が必要となる.
著者
渡邊 崇 古郡 規雄 下田 和孝 Takashi Watanabe Norio Furukori Kazutaka Shimoda
出版者
獨協医学会
雑誌
Dokkyo Journal of Medical Sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.73-78, 2020-07-25

父娘がともに注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)を発症した2症例を経験した.ADHDは児童思春期に診察される場合が多いが,成人後にも症状が残遺することもあり,慢性的な疾患であると考えられる.この症例報告では,家族間であっても,有効な治療薬において差異が認められた.このような家族間での差異を多面発現性と多遺伝子モデルに基づいて考察した.
著者
古郡 規雄 下田 和孝
出版者
獨協医学会
雑誌
Dokkyo Journal of Medical Sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.259-265, 2020-10-25

パーソナリティとは,個人の感情,認識,欲望,行動のパターンにおける一貫性と一貫性を説明するために使用される抽象化されたものである.近年,ビッグ・ファイブ理論の一般的普及や,行動遺伝学,神経生物学等の発展を背景にして,パーソナリティに対する関心が高まっている.次元論的人格理論のうち代表的なものとしては,Cloninger による7次元モデルやCosta & McCrae によるビッグ・ファイブ理論がある.近年の分子遺伝学の進歩によりパーソナリティに関与する遺伝子は数多く,一つ一つの効果は小さいと結論づけられている.本稿では7次元モデルとビッグ・ファイブ理論を紹介し,過去に我々が行った研究ではドパミンDRD4遺伝子多型は新規性追求と血液型ABO 遺伝子多型が固執に影響を及ぼしていた.今後は,脳画像研究や神経生理学的検証でさらなる確認試験が必要となる.
著者
古郡 規雄
出版者
弘前大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

P糖タンパクは腸管、肝臓、腎臓および血液脳関門に存在し、汲みだしポンプとして作用する薬物輸送トランスポーターである。P糖タンパクをコードするMDR1遺伝子にはいくつかの多型が存在する。この多型が血液脳関門に発現するP糖タンパク機能を規定し、中枢神経薬の脳内濃度の個人差を導き出す可能性がある。そこで申請者は、定型抗精神病薬ブロムペリドールの臨床効果に及ぼす血液脳関門遺伝子MDR1多型の役割について検討した。本研究に対し文書での同意が得られた31例の急性期の未治療あるいは治療中断中の統合失調症患者であった。ブロムペリドール(6-18mg/day)による治療を3週間行い、毎週BPRSとUKU副作用スケールによる臨床評価および血漿薬物濃度測定用の採血を行った。MDR1遺伝子多型であるC3435TとG2677T/AをPCR-RFLP法で同定した。これらの両遺伝子多型、年齢、体重、性別および血漿薬物濃度を独立変数にそれぞれの臨床反応を従属変数に多変量解析を行ったところ、認知障害の改善スコア(β=0.673,p<0.01)においても改善率(β=0.464,p<0.05)においてもC3435T遺伝子型と有意な相関を認めた。副作用はいずれの変数とも差がなかった。今回の結果より、血液脳関門遺伝子MDR1の多型は抗精神病薬の薬効に関与する可能性が示された。今後、脳内薬物濃度を規定する因子を考慮に入れた検討をすることで薬効予測が容易になることが示され、将来の研究に大いに役立つ所見であると考えられた。