著者
史 邁
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.55-65, 2020 (Released:2020-07-31)
参考文献数
55

本研究は,これまでのコ・プロダクション研究に残された課題を出発点とし,この概念が象徴する協働の意味と原理を理論の側面から考察している.結果として,第1に,利用者の生産的意義を積極的に捉え,それを協働の対象設定に包括したのは,コ・プロダクション概念構成上の最大の特徴であると言える.それは「協働」という行動を,利用者の自発的・非自発的関与を伴う個別のサービスからサービスシステム全体を対象とした,多様な次元に存在する一種の「属性」であることがわかった.第2に,社会サービスにおける協働の実践・実務に対して,コ・プロダクションは協働を「規範的価値」として主張するものではなく,また,生産的効率性の向上を一方的に追求するものでもない.この概念は,社会サービスの固有な普遍的・潜在的な属性として,従来の契約関係,ネットワーク,パートナーシップなどを統括したものであると考えられる.
著者
郭 芳 田中 弘美 任 セア 史 邁 Hou Kaku Hiromi Tanaka Saeah Lim Mai Shi カク ホウ タナカ ヒロミ イム セア シ マイ
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.126, pp.15-32, 2018-09-30

本研究では「京都子ども調査」を分析することにより,子どもの自己肯定感に及ぼす要因を確認し,それらの要因の自己肯定感への影響の程度について,実証的に検証した。その結果,自己肯定感に影響を与える要因には「性別」「経済的要因」「関係的要因」があることが実証された。また,経済的要因の自己肯定感への影響はある一方で,「親・親戚との関係」「学校での生活」「友人の有無」という関係的要因のいずれもが自己肯定感に影響していることが明らかになった。
著者
郭 芳 田中 弘美 任 セア 史 邁 カク ホウ タナカ ヒロミ イム セア シ マイ Kaku Hou Tanaka Hiromi Lim Saeah Shi Mai
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Social science review (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.126, pp.15-32, 2018-09

論文(Article)本研究では「京都子ども調査」を分析することにより,子どもの自己肯定感に及ぼす要因を確認し,それらの要因の自己肯定感への影響の程度について,実証的に検証した。その結果,自己肯定感に影響を与える要因には「性別」「経済的要因」「関係的要因」があることが実証された。また,経済的要因の自己肯定感への影響はある一方で,「親・親戚との関係」「学校での生活」「友人の有無」という関係的要因のいずれもが自己肯定感に影響していることが明らかになった。By a factor analysis and hierarchical multiple regression analysis on the "Children's Survey in Kyoto", this study is confirming the influence factors of self-affirmation of the children and figuring their varying degree. As a result, influencing factors including "Gender", "Economic factors", and "Relationship factors" are empirically verified. Beside "Economic factors", the "Relationship factors" such as "Trust to the parents and relatives", "School life" and "Presence or absence of friends" also have remarkable influence.