著者
藤井 聡 吉川 肇子 竹村 和久
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.399-405, 2004
被引用文献数
1 2

本論文では、東電シュラウド問題が発覚する以前と以後の首都圏に住む成人男女の意識調査の結果を報告した前報 (藤井・吉川・竹村, 2003) に続き、1年後に再度調査した結果を含めて分析し、この3時点での人びとの意識の変化を検討する. 分析の結果, 事件直後において原子力発電のリスクに対する危険意識や恐怖感が上昇し, その一方で, 原子力発電の安全管理に対する信頼が低下していること, そして, 1年の経過に伴って僅かな信頼の回復が見られたものの, 依然として低下した信頼は低下したままの水準を保っていることが明らかにされた.
著者
杉浦 淳吉 吉川 肇子
出版者
特定非営利活動法人日本シミュレーション&ゲーミング学会
雑誌
シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.87-99, 2009-08-25

本研究では,事例研究として地球温暖化問題をテーマとしたボードゲームである「キープクール」を取り上げ,その導入の評価を検討する.ゲーミング体験の評価について,教育・学習場面の対象者のみならず,そのゲーミングの実施主体の評価も含めて検討した.すなわち,ゲーミングを,導入時の評価,導入の決定と準備,そして実践・評価,の3つのプロセスに整理した.また,ゲーム経験者が別の場面でゲームを実施するプロセスについて検討した.ゲーム経験のある実施主体が,プレーヤに対して何を評価させようとしたのかについて,評価項目および実践方法から検討された.さらに,ゲームの実施中および実施後におけるゲーム体験の評価に関する手法の事例について議論した.以上から,ゲームの意義や評価のポイントは,実施主体が持つゲーム体験の評価の基準によってもまた,決まってくることが示唆された.