- 著者
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吉永 龍起
- 出版者
- 北里大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2019-04-01
イカナゴ属魚類は,沿岸生態系の食物連鎖を支え,水産資源としても重要な魚類である.一方,日本各地で資源が激減しており,禁漁措置がとられているにも関わらず回復の兆しが見られないことが深刻な問題となっている.そこで,イカナゴ属の特徴的な行動である潜砂に着目し,本属魚類の再生産を阻む要因を探ることを目的とした.まず(1)北海道南部から瀬戸内海までを網羅した複数の地点に分布するイカナゴ属を用いた飼育実験を行い,潜砂行動の制御機構を明らかにする.続いて,(2)夏季の数カ月間にわたって砂に潜る夏眠について,潜砂により獲得される高水温耐性の分子機構を解明する.