著者
吉田 政弘 長内 健佑
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.49, 2011

特定外来生物に指定されているアルゼンチンアリは、1993年広島県廿日市市内で日本で初めて確認されてから、18年経過している。その間に山口県、兵庫県、岐阜県、神奈川県、東京都、愛知県、静岡県、大阪府、京都府の9都府県にと全国的に分布拡大する様相を呈してきています。ここ2、3年の間に近畿地方、特に兵庫県下では、従来(1993年)から確認されている埋め立て人工島のポートアイランドでの全島域にまたがる広がりはいうまでもなく、2009年には隣接する麻耶埠頭、さらには2010年10月には共同発表者の長内氏による、湾岸に面する神戸市中央区海岸通りのビル街での発見、確認に基づき、ポートアイランドをはさむ、麻耶埠頭よりハーバーランド(直線距離にして約5Km)に及ぶ、神戸港湾岸一帯を目視(捕獲)法により調査した。その結果、国道2号線沿いの山側にあるビル街、人工島のメリケン波止場およびポートアイランドに隣接する人工埋め立ての一部の突堤で確認された。これらの調査結果について報告する。
著者
吉田 政弘
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衞生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, 1983-06-15
著者
中村 央 吉田 政弘 木村 明生 弓指 孝博 木村 朝昭 上羽 昇 國田 信治
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.275-286, 1999
被引用文献数
1 1

1968∿1997年に畜舎, 主として豚舎で蚊を採集し, コガタアカイエカの発生状況を調べると共に蚊から日脳ウイルスの分離を試みた。その成績に基づき, 環境条件と蚊の発生量及び蚊の日脳ウイルス感染状況との関連性を検討した。その結果, 以下のことが明らかになった。1)水田地帯に2ケ所以上の豚舎がある程度離れて位置しており, 多数の豚が飼育されているような環境条件下では, 毎年, コガタアカイエカの発生量が多く, しばしば, 早い時期に日脳ウイルスの検出が始まり, 感染率も高い傾向が認められた。2)周囲に広く水田が残っていても, 豚舎が1ケ所のみの場合は, 蚊の発生量は1)より少なく, 日脳ウイルスの感染環は必ずしも毎年成立せず, 感染率も低い傾向が認められた。3) 1), 2)と近年における水田面積や家畜飼育農家戸数の激減とを考え併せると, 近年の日脳低流行の一因として, 環境条件の変化, 特に, 1)のような地域の消失, をも考慮すべきであると考えられた。また, なぜ, 1)と2)のような違いが生じるかについて論議した。