著者
吉見 信
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.165-168, 2001

SOI技術の各種LSIにおける最近の研究開発動向が述べられる.高速MPUにおいては,基板浮遊効果を回避しながら,バルクシリコン素子に比べて20~30% の高速化が達成されている. DRAM 応用においてはソフトエラ一フリー,ビット線容量低下などの利点とともに,ダイナミックリテンション特性の劣化問題などが指摘されている.通信用LSIでは,支持基板に高抵抗シリコンを用いることによりインダクターの性能改善とクロストーク改善が可能となる.そのほか,動作電圧0.5V 以下で動作するLSIへの応用,SOIを用いたポストスケーリング素子構造,および今後のSoCに向けた開発の方向性などが述べられる.
著者
榎本 忠儀 道関 隆国 吉見 信 井田 次郎 一法師 隆志 三木 和彦 山岡 雅直 有本 和民
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.234, pp.85-88, 2005-08-11

SOI製品が、サーバー、ゲーム機、電波時計等の分野で広がりつつある。一方、ITRSのロードマップによれば、SOIデバイスは、サブ50nm世代以降の微細化デバイスの候補であり、emerging technologyとして"nonclassical CMOS"に分類されている。本パネルでは、まず、ビジネス的観点から、「死の谷越え」のできるSOIデバイスの特徴、アプリケーション、条件を明らかにする。次に、技術的観点から、超高速指向のアプリケーションにターゲットを絞って、サブ50nm世代のLSI設計における問題点を明らかにするとともに、SOIによる対策例を示す。各種SOI技術を「バルクデバイスの置き換え」、「SOIしかできない技術」というような色分けをしながら、今後SOI技術が本当に切り札になりうるのかを議論する。