- 著者
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榎本 忠儀
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.3, pp.296-306, 1996-03-25
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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14
マルチメディア機器の構築に必須なLSIで重要な性能指標に"信号処理性能"と"動作時消費電力"および"待機時消費電力"がある. 本稿では, まず, CMOSおよびGaAs集積回路の消費電力について解説し, 次に低消費電力化技術を詳しく述べる. 動作時消費電力を低減するにはこれを構成する各ファクタ(電源電圧, ゲート稼働率, 回路規模, クロックおよび動作周波数, 負荷容量, 貫通電流, 等)を削減すればよい. そのための方策, すなわち, アーキテクチャ, アルゴリズム, 回路, 等に関する技術の具体例を詳述する. また, 動作時特性を劣化せずに, 漏れ電流, 貫通電流を遮断して, 待機時消費電力を削減する方法についても検討する. なお, 低消費電力化の基本条件は信号処理性能を維持し, チップ面積を増やさないことである.