著者
名村 章子 西嶋 攝子 朝田 康夫
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.102, no.12, pp.1563, 1992 (Released:2014-08-12)

近年(1989年)米国Pennsylvania大学で考案されたFull-hand touch plate法と画像解析装置(Computerized Image Analysis)を用いて,手洗い時間による手表面の除菌効果を比較検討した.流水による手洗い時間を10秒,30秒,1分,3分間とし,手洗い前後に手掌をFull-hand touch plate用の培地に押しあて,37℃,48時間培養後コロニー占有面積を比較検討した.手洗い前を100として手洗い後の除菌率をpercent(%)reductionで表わした.結果は3分,1分,30秒,10秒の順で除菌効果は優れており,それぞれ76.4%,76.0%,65.5%,55.7%であった.手洗い時間10秒では55.7%と除菌効果は低く,1分では76%とかなり有効な結果であった.しかし3分間でも76.4%であり,手洗い時間は1分間もしくはそれ以上が必要と考えられた.また76%以上の除菌効果を得るためには殺菌消毒剤の併用が必要と考えた.
著者
尾口 基 赤松 浩彦 朝田 真木 久保 桂子 名村 章子 白井 絹江 朝田 康夫 西嶋 攝子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.995-1000, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11

男7例, 女22例, 年齢10歳-32歳で, 中-重症例の, 病型は嚢腫性5例を含む尋常性挫瘡26例, 夏期挫瘡1例, ステロイド挫瘡2例の計29例をmetronidazole (Flagyl ®) 1日当り375mg-500mgを用いて治療した.面皰, 丘疹, 硬結の消失したものを治癒, ほぼ消失したものを略治とし著効, かかる皮疹が減少したものを軽快とし有効とした.皮疹の減少と同時に新生がみとめられた例と不変であった例を無効とした.投与期間, 1-7週, 平均4週にて, 著効17, 有効7, 無効5, 有効率83%の結果を得た.副作用は舌苔を2例, 舌苔と便秘1例がみとめられたが, 治療継続に支障はなかった. 15例に治療終了時, 尿血液一般検査を行ったが, 全例異常所見は認められなかった.