著者
赤井 容子 赤松 浩彦 李 秀萍 伊藤 明 Christos C. Zouboulis 朝田 康夫
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.647, 1994 (Released:2014-08-12)

リノール酸(C18:2cis9,12),パルミチン酸(C16)の皮脂腺の増殖に及ぼす影響を,ヒトの顔面より分離した皮脂腺を組織片培養して得られた培養脂腺細胞を用いて検討した.その結果,リノール酸は濃度依存性に培養脂腺細胞の増殖を促進し,一方,パルミチン酸は濃度依存性に増殖を抑制することがin virtoで判明した.面皰において,正常皮膚に比べてリノール酸の割合が減少し,パルミチン酸の割合が増加しているという事実より,この結果は,これらの遊離脂肪酸が面皰形成過程において,皮脂腺の増殖に影響を及ぼしている可能性を示唆するものと考えられた.
著者
加野 尚生 冨高 晶子 鈴木 加余子 赤松 浩彦 松永 佳世子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.232-236, 2002

台風が通過した翌日に経験したマムシ咬傷の2例を報告した。症例1: 65歳, 男性。畑作業中, 右第3指をマムシに咬まれ受診した。減張切開し, マムシ抗毒素ウマ血清、ステロイド剤点滴静注を主体に治療し軽快した。症例2: 64歳, 男性。蜂の巣を採取中, 道端に腰をおろした瞬間, マムシに左第2指を咬まれ受診した。マムシ抗毒素ウマ血清皮内テストが強陽性であったため抗毒素は使用せず, ステロイド剤点滴静注を主体に治療し軽快した。
著者
丹羽 靭負 飯沢 理 赤松 浩彦
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, 1993

最近のアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis,AD)は以前と比べ成人の重症型が増加して来ているが,今回,過去2年間の197例の重症・難治型のAD患者について統計的観察を行い患者の種々の血清脂質値や活性酵素と生体内の脂質が反応して生成される過酸化脂質を測定し,更に生体の主たる活性酸素消去酵素であるsuperoxide dismutase(SOD)誘導能を測定した.結果は,入院患者の83%が13~30歳の年齢層に集中し,更にその90%以上が大都市在住の患者であり,皮疹の形態は,肥厚・苔癬化が強く,結節性年疹を全身に合併したものが多く,また,5%の白内障の合併が認められ,全例が治療に抵抗した重症型であった.検査結果は,成人AD患者では低比重のリポ蛋白(VLDL,カイロミクロン)が健康対照群に比して高く,また過酸化脂質値が増悪期に上昇し,一方患者白血球のSOD誘導能の低下が(軽快期,増悪期を通して)証明された.以上より,AD患者は体質的に細胞障害性の脂質が多く存在し,そこへ最近の環境汚染の増悪により,放射能,農薬,殺虫剤,化学薬品などが体内で活性酸素を増産させ,この活性酸素が,脂質と結合して過酸化脂質を形成する反応を,AD患者のSOD誘導能の体質的低値が一層促進させ,その結果,体内で組織障害性の過酸化脂質を増産させ,ADの病態の変化やその増悪をもたらしているものと推察された.
著者
赤松 浩彦 Christos C. Zouboulis Constantin E. Orfanos
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.47, 1992 (Released:2014-08-12)

Testosterone(以下Tと略す),5α-dihydrotestosterone(以下DHTと略す)の皮脂腺の増殖に及ぼす影響を,人の大腿部より分離した皮脂腺を組織片培養して得られた脂腺細胞を用いて検討した.その結果,Tは濃度依存性に脂腺細胞の増殖を抑制し,一方DHTは僅かながら増殖を促進することがin vitroで判明した.皮脂腺が多数の内分泌因子によって支配されていることは周知の事実であり,個々の内分泌因子がどのように皮脂腺に影響を及ぼしているかは大変興味深い点である.この組織培養法は,個々の内分泌因子の皮脂腺に及ぼす影響を細胞レベルで,しかも定量的に扱える点で非常に優れた実験手段であると考えられた.