著者
クラーク ジェイムズ・エイチ ネイラー ジャネット・エム バンクス ジョン・エヌ スキュウーダモア キース・エイ 伊藤 陽子 向井 俊博 堀江 秀樹 後藤 哲久
出版者
日本茶業技術協会(農林省茶業試験場内)
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.79, pp.31-36, 1994
被引用文献数
1

10種の茶試料と1つの生葉の菌類を,3種類の培地を用いた希釈平板法で調べた。生葉からもっとも多くの菌類が検出された。その主なものはCladosporium cladosporioidesとピンク色のコロニーを作る酵母であった。10種の茶試料中7点の試料からは,5×10<sup>2</sup>cfu/g以下の菌しか検出されなかった。紅茶3点はいずれもこの7点の中にあった。後発酵茶である碁石茶からは1.5×10<sup>3</sup>cfu/gの菌が検出され,すべて1種類の酵母であった。中国産のプーアル茶1点から4.1×10<sup>3</sup>cfu/gの菌が検出されその主なものはアスペルギルス属のAspergillus versicolorとA. sydowiiであった。今回分離された菌のうち,A. sydowiiはいずれもステリグマトシスチンを産生しなかった。また,A. versicolorのうちの一株は,穀類の培地上にステリグマトシスチンを産生したが,緑茶や緑茶に10%穀類を添加した培地では,ステリグマトシスチンの産生はみられなかった。
著者
向井 俊博 堀江 秀樹 後藤 哲久
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.76, pp.45-50, 1992-12-10 (Released:2009-07-31)
参考文献数
8
被引用文献数
27 25

荒茶価格1kg当り560円から12,000円の煎茶61点を集めアミノ酸含量と全窒素量を分析した。上級煎茶と下級煎茶では,グルタミン酸含量にあまり大差がなく,テアニン,グルタミン,アルギニン含量に著しい差が見られた。また,グルタミンの割合が上級煎茶ではグルタミン酸よりも多い傾向があったが,下級煎茶では少なかった。価格と全窒素量は下級煎茶と中級煎茶に相関が認められるが,上級煎茶では認められないため,全窒素量は上級煎茶の品質判定の指標として使用出来ないと考えた。それに対して,全アミノ酸量は,全ての価格帯において相関が認められ,より広い範囲の品質の煎茶の判定に利用できるものと考えられた。また,17種類のアミノ酸の中で最も価格との相関が高かったのはアルギニンとテアニンであった。本研究を進めるにあたって,試料の収集に御協力いただいた静岡県茶商工業協同組合関係各位及び,分析を手伝っていただいた天野いねさんに深く御礼申し上げます。
著者
袴田 勝弘 中田 典男 向井 俊博 福島 裕和 山口 良 仲田 智史
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.68, pp.8-13, 1988-12-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

嫌気処理緑茶(ギャバロン)の香味改善を図るため,嫌気処理条件(温度:10,20,30℃;時間:0~40時間)について検討した。(1)GABA含量はいずれの温度でも嫌気処理初期(1~5時間)に急増したが,その傾向は高温区ほど顕著で,30℃区で2時間,20℃区で5時間,10℃区で10時間で,それぞれの最高値の75%に達した。(2)嫌気処理時間が長くなるほど,高温区ほど品質が低下した。嫌気処理によるいやみ臭は,10℃区で30時間,20℃区では15時間,30℃区では5時間以上で特に強くなった。(3)品質をできるだけそこなわずGABA含量を高める嫌気処理条件は,10℃で15~20時間,20℃で5~10時間,30℃で2時間と推定された。(4)品質低下を防ぐため,嫌気処理後できるだけ早く殺青することが必要と考えられた。