著者
後藤 哲久
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.57-62, 2016-01-31 (Released:2016-02-16)
参考文献数
18

Aspergillus section Flavi にはアフラトキシン産生菌,非産生菌が含まれていることが知られている.しかし,アフラトキシン産生菌と,非産生菌あるいは分類的には産生菌でありながら産生能を持たない(失った)菌との関係,あるいはカビは何故アフラトキシンを産生するのか,という疑問にはまだ明確な答えは見つかっていない.
著者
後藤 哲久 堀江 秀樹 大関 由紀 増田 英昭 藁科 二郎
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.80, pp.23-28, 1994-12-28 (Released:2009-07-31)
参考文献数
11
被引用文献数
9 12

市販緑茶7茶種87点を集め,その一般化学成分として全窒素,全遊離アミノ酸,タンニン,カフェイン,中性デタージェント繊維(NDF),アスコルビン酸,また,個別遊離アミノ酸としてアスパラギン酸,アスパラギン,グルタミン酸,グルタミン,セリン,アルギニン,テアニンの含有量を測定した。全窒素,全遊離アミノ酸含有量は,玉露,抹茶が煎茶等と比較して多く,タンニンは逆に煎茶が多かった。煎茶,釜いり製玉緑茶,むし製玉緑茶の3茶種の間では,今回測定した6種類の主要化学成分の含有量に有意差は見られなかった。番茶,ほうじ茶の全窒素含有量は下級煎茶に近いものであったが,NDFはほうじ茶において極端に多かった。アルギニン,テアニンの含有量は同一茶種のクラス間で差が大きく,全窒素,全遊離アミノ酸とともに品質の指標として用いうる可能性が示された。
著者
クラーク ジェイムズ・エイチ ネイラー ジャネット・エム バンクス ジョン・エヌ スキュウーダモア キース・エイ 伊藤 陽子 向井 俊博 堀江 秀樹 後藤 哲久
出版者
日本茶業技術協会(農林省茶業試験場内)
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.79, pp.31-36, 1994
被引用文献数
1

10種の茶試料と1つの生葉の菌類を,3種類の培地を用いた希釈平板法で調べた。生葉からもっとも多くの菌類が検出された。その主なものはCladosporium cladosporioidesとピンク色のコロニーを作る酵母であった。10種の茶試料中7点の試料からは,5×10<sup>2</sup>cfu/g以下の菌しか検出されなかった。紅茶3点はいずれもこの7点の中にあった。後発酵茶である碁石茶からは1.5×10<sup>3</sup>cfu/gの菌が検出され,すべて1種類の酵母であった。中国産のプーアル茶1点から4.1×10<sup>3</sup>cfu/gの菌が検出されその主なものはアスペルギルス属のAspergillus versicolorとA. sydowiiであった。今回分離された菌のうち,A. sydowiiはいずれもステリグマトシスチンを産生しなかった。また,A. versicolorのうちの一株は,穀類の培地上にステリグマトシスチンを産生したが,緑茶や緑茶に10%穀類を添加した培地では,ステリグマトシスチンの産生はみられなかった。
著者
向井 俊博 堀江 秀樹 後藤 哲久
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.76, pp.45-50, 1992-12-10 (Released:2009-07-31)
参考文献数
8
被引用文献数
27 25

荒茶価格1kg当り560円から12,000円の煎茶61点を集めアミノ酸含量と全窒素量を分析した。上級煎茶と下級煎茶では,グルタミン酸含量にあまり大差がなく,テアニン,グルタミン,アルギニン含量に著しい差が見られた。また,グルタミンの割合が上級煎茶ではグルタミン酸よりも多い傾向があったが,下級煎茶では少なかった。価格と全窒素量は下級煎茶と中級煎茶に相関が認められるが,上級煎茶では認められないため,全窒素量は上級煎茶の品質判定の指標として使用出来ないと考えた。それに対して,全アミノ酸量は,全ての価格帯において相関が認められ,より広い範囲の品質の煎茶の判定に利用できるものと考えられた。また,17種類のアミノ酸の中で最も価格との相関が高かったのはアルギニンとテアニンであった。本研究を進めるにあたって,試料の収集に御協力いただいた静岡県茶商工業協同組合関係各位及び,分析を手伝っていただいた天野いねさんに深く御礼申し上げます。
著者
真鍋 勝 後藤 哲久 田中 健治 松浦 慎治
出版者
農林省食品総合研究所
雑誌
食品総合研究所研究報告 (ISSN:03019780)
巻号頁・発行日
no.38, pp.p115-120, 1981-03

わが国で発見されたKAは,マイコトキシンという言葉が使われだした10数年前からこの範ちゅうに入っているが,実験動物に対する毒性が弱く,これによる事故が報告されていないことから余り問題にされていなかった。近年突然変異原性を有することがAmes testで明らかにされたことより,現在わが国の発酵工業で使用されている麹菌の中よりAsp. oryzae(149株),実験室保存のAsp. flavus(46株),Asp. tamarii(9株)について,KAとAFの産生能を検討した。1. Rec-assay法を使用してKA,AFを含む13種のマイコトキシンのDNA作用を検討し,KAとAF-B1を含む7種が陽性であることを明らかにした。2. 供試菌204株についてAF産生能を試験した結果,Asp. oryzaeとAsp. tamariiの全供試菌株には産生が認められず,Asp. flavus46株中24に産生が認められた。3. KA産生能試験は,坂口培地を使用し,30℃,14日間培養し,培養液を硫酸第二鉄で呈色し比色定量した。Asp. flavusとAsp. tamariiの全供試菌は,KAを産生し,最高産量は40mg/ml培養液以上であった。Asp. oryzae149菌株中105株にKAの産生が認められ,残りの44株(約30%)に産生が認められなかった。
著者
後藤 哲久 長嶋 等 吉田 優子 木曽 雅昭
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.83, pp.21-28, 1996-07-31 (Released:2009-07-31)
参考文献数
23
被引用文献数
6 17

市販録茶試料7茶種85点の8種のカテキン類とカフェインの含有量を測定した。玉露,抹茶は煎茶,玉緑茶と比較してやや多くのカフェインを含む一方総カテキン量は少なかった。同じ茶種の中では,上級茶は一般に下級茶より多くのカフェインを含み総カテキン量は低かった。個々のカテキン類の中では,エピガロカテキンガレート(EGCg)の含有量が最も多く,総カテキン量の50~60%を占め,エピガロカテキン(EGC)と合わせた量は総量の約80%であった。遊離型カテキン(EC,EGC)の含有量は,エステル型カテキン(ECg,EGCg)の,煎茶,玉緑茶では半分以下,玉露,抹茶では1/3以下であった。玉露,抹茶では多くの試料からカテキン(C)が検出されたが,それ以外の微量カテキン類はほとんど検出されなかった。ほうじ茶のカテキン類は,加熱による変化を受けるためか量的にも少なく,その組成も他の茶種と大きく異なっていた。
著者
新国 佐幸 ウトモ ジョコ・スシロ アンタルリナ スリ・サティア ギンティング アリアナ 後藤 哲久
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.13-22, 2002-01-31
被引用文献数
3

インドネシアの醤油ケチャップおよび発酵大豆タウチョの大豆麹を採取した.収集試料6点のうち,5点からは <i>Aspergillus</i> が主要菌として分離された.収集試料からは,アフラトキシンは検出されなかったが,2株のアフラトキシン生産菌が分離された.アフラトキシン汚染防止の観点から種菌の開発を行うため,<i>Aspergillus</i> 属の優良菌株2株を選択し,さらに,紫外線照射により,それらの白色変異株を造成・取得した.白色変異株は,アフラトキシン生産菌とは,外観から容易に識別された.これらの変異株には,アフラトキシン生産性は認められず,また,これらを用いて調製した諸味のフォルモール窒素の値は,親株を用いた場合とほとんど変わらなかった.アフラトキシン生産菌の常在地では,麹菌白色変異株の種菌としての利用は有用である.