著者
唐澤 信司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.98, no.673, pp.193-200, 1999-03-18
被引用文献数
11

神経細胞のごときインパルスだけを信号どする知能システムでは、情報圧縮して応対を選択し、情報圧縮を解除して出力を司令する機能が必要である。神経細胞は、特定の条件の時だけインパルスを発生する解読器の接続で情報を圧縮する。他方、多出力の[OR]接続および抑圧性[AND]回路による多入力[OR]動作で情報圧縮を解除する。また、神経細胞でループ回路を作ると、ループに取り込まれたインパルスは循環し続け、循環する度に外部にインパルスを発生する。これらの回路要素を組み合わせて、脳と類似な動作機能を電子回路で実現することができることを示す。
著者
唐澤 信司 池田 千里 具 龍曾 〓 俊憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語
巻号頁・発行日
vol.97, no.567, pp.9-16, 1998-02-23
被引用文献数
5

本文は言語を認識したり、あるいは言語を出力する機能のモデルを検討したものである。情報は記号であり、知能は解読器によって実現する。自律神経系の活動や随意運動あるいは言語機能も解読器を要素として実現できる。特に行動の制御や言語の知能は体験に依存し、その経験依存性が個性と共通性をもたらす。さまざまな解読器がオーバーラップして形成されるので、それらの概念の間には部分的に属性を共通したり、物理的な関係あるいは従属関係などを持つ。また、シリアルである言語表現機能と関係することが、解読器が次々と活動して信号が伝播すること(思考)を可能にする。
著者
唐澤 信司 池田 千里 具 龍會 鄭 俊憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

本報告では、ロボットの知能は『もし、○○であれば、○○とする。』という論理で記述され、この論理を実行する意志決定回路{Decision-Making Circuit (DMC)}が形成されることを知能の獲得とする。DMCはある状況を示すセンサの状態の組み合わせに対応した出力回路の状態を指定する。体験的学習では、同時に励起された入力群と出力が接続される。このDMCを構成単位とする人工知能システムを考え、その形成をフローティング・ゲートMOSFETに記憶させる。ここでは、この書き込みを体験的学習のように行う技術を検討した。このロボットの知能は体験に範囲を限定され、いはば個性のようなものを持つ。
著者
唐澤 信司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語
巻号頁・発行日
vol.98, no.179, pp.33-40, 1998-07-17
被引用文献数
4

解読器は行動を記憶でき、その行動を駆動することもできる。データとマッチングした解読器がレジスタを駆動して、解読器を稼働させる。言語の処理では概念の表象として解読器を用い、文章から単語、単語から形態素などと解読器の解読作業を階層的分担構造で形成させる。会話翻訳装置は発話者の意図する階層的分担構造の解読器群に近い解読器のモジュールを聞き手側で想起できるように音声を別の言語の音声に変換する。
著者
唐澤 信司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.10, pp.5-10, 2007-04-13
被引用文献数
1

本文では網膜及び第1次視角野(V1)のしくみを次のように説明する.網膜では双極細胞が脱分極型と過分極型があり,光によってインパルスを出さず電位を変化しており,その電位にアマクリン細胞が間隙接合するので時間遅延したインパルスが加わり,動いた物体の像と静止物体の映像データを別にして送り出す.網膜の神経細胞と第1次視角野V1の神経細胞を接続する線路を視床で制御する.V1の眼球優位のカラムでは映された映像データの活動を短期記憶ループ群で集積し,上位の領域や他の活動領域に転送しており,他の領域に転送する際には元の短期記憶の活動を消去し,更新する状態に混入するのを防止する.脳の回路網に映された活動が解読され,海馬に集められてチェックを通り抜けた活動が実行に移される.