著者
鍛治谷 静 北村 瑞穂 金津 春江 榊原 和子 四條畷学園短期大学保育学科 四條畷学園短期大学ライフデザイン総合学科 四條畷学園短期大学ライフデザイン総合学科総合福祉コース 四條畷学園短期大学ライフデザイン総合学科総合福祉コース
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
no.49, pp.47-57, 2016

四條畷学園短期大学がFD活動の一環として実施した「教員相互による公開授業参観」(2010年度後期~2014年度後期:合計9回実施)について、授業を公開した教員と参観した教員が作成した報告書247枚をテキストマイニングにより分析した結果、その成果と課題は以下の通りであった。報告書には授業担当者・参観者間の対話があり、授業改善に向けての協働が見られたことが成果といえる。一方、授業改善を実現するための具体的な方法や工夫、戦略等をどうすれば得られるかということと、公開授業参観によってそれぞれの授業がどの程度、どのように改善したかを評価するシステムの構築が課題とされた。その評価システム構築のためには「授業改善」の具体的内容についての議論の必要性も示された。
著者
工藤 真由美 Mayumi Kudo 四條畷学園短期大学保育学科 Shijonawate Gakuen Junior College
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
no.40, pp.42-48, 2007

本稿は、いのちが希薄化した今日の社会情勢に鑑み、いのちの重み、大切さを実感できるような、実践的で本質的ないのちの授業を構想することがねらいであり、そのために過去の教育実践を紐解き、そのエッセンスを汲み取ることを主眼とする。横浜の浜之郷小学校の校長、大瀬敏昭氏は自身の闘病から死に至るまでを、その死と直面しつつ生きる心情、絶望と恐れ、希望と勇気を、それらを与えてくれた絵本との出会いというかたちで子どもたちに紹介していく。彼の自己の病状を包み隠さず、平易な言葉で子どもたちに語りかけていく「いのちの授業」の実践記録が、我々に示唆するところは大きい。それは、我々自身が人生から問われたものとして、真摯に日々生きる姿の中にこそ、真の「いのちの授業」が生まれてくるというものであり、また、最後まで学び続け変わることが人間の可能性であり、その点で死は人間にとって成熟する最後のチャンスであるということである。
著者
鍛治谷 静 Shizuka Kajiya 四條畷学園短期大学保育学科 Shijonawate Gakuen Junior College
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 = Annual reports of Shijonawate Gakuen Junior College
巻号頁・発行日
vol.48, pp.25-29, 2015

保育や教育の場で不適応行動が見られるものの、診断がつかないあるいは未受診の子どもは「グレーゾーン」と呼ばれる。医療と連携が進み、診断を得ることで子どもの個別ニーズが関係者に広く知られるようになったが、同時に「診断を得ていないこと」がことさら問題視されるようになった面もある。2013年のDSM-5の改訂のうち発達障害に関わる部分を取り上げ、これらグレーゾーンと呼ばれる子ども達の支援と関連づけて考察した。支援に必要なのは「個別性を見る目」と「そこからニーズを読み取ること」であり、これは保育者や教育者の専門性である。診断は子どもを理解するためのひとつの情報に過ぎない。保育者や教育者が「分からないこと(診断;医療)」があったとしても、「分かっていること(自らの専門性)」を生かすことで支援は十分可能である。