著者
工藤 真由美
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.1-6, 2011-05

本稿はコンピテンシー概念、とりわけその中で重要な要素となるキー・コンピテンシーの定義について学び、そこから今日の社会の中でより豊かに生きる力、社会を豊かに形成していく力の育成に向けての端緒としての考察である。DeSeCoによると、コンピテンシーの高い人の特性は、異文化での対人関係の感受性が優れ、他の人に対しての前向きな期待を抱いて他者の人間性を尊重し、人とのつながりを作るのがうまい。それをキー・コンピテンシーとしてまとめると(1)自律的に活動する力、(2)異質な集団で交流する力、(3)道具を相互作用的に用いる力、である。自律的に活動するには、大きな展望を持って行動することや、人生計画や個人的なプロジェクトを設計し実行することや、自らの権利や利益、限界、ニーズを守ったり主張する力が必要になる。また、異質な集団で交流するには、他者とうまく関わったり協力したり、対立を処理解決する力が必要である。道具を相互作用的に活用するには、言語、シンボル、テクストや知識や情報、技術を相互作用的に活用する力が必要である。
著者
八亀 裕美 佐藤 里美 工藤 真由美
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.51-64, 2005-01

東北諸方言のアスペクト・テンスについては,少しずつ体系的な記述が進んできている。しかし,東北諸方言の精密な記述のためには,(1)アスペクト・テンス・ムード体系というムード面もとらえた枠組み,(2)動詞述語だけではなく,形容詞述語・名詞述語まで包括的にとらえる視点,の2点が不可欠であるように思われる。本稿は,宮城県登米郡中田町の方言(以下,中田方言と呼ぶ)について,この2点をふまえた記述を行った。その結果,この方言には次のような特徴があることがわかった。(1)東北諸方言に広く見られるいわゆる「過去の〜ケ」を持たない,(2)すべての述語にパラダイム上一貫して2つの過去形が見られる,(3)その各形式に意味・機能上の一貫性が認められる。特に注目されるのは,「体験的過去」と呼ぶことができる過去形がすべての述語に見られることである。また,中田方言の具体的記述を通して,方言研究における述語の文法的カテゴリーの総合的記述の方法論を提示した。
著者
工藤 真由美
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.18-20, 2009-05

近年子どもの変化が、身体発達、心の発達など様々な点で指摘されるようになってきた。このようななかで、「幼稚園教育要領」や「保育所保育指針」にも示されているように、子どもの遊びの重要性は時代が変わっても変わらないものである。子どもの遊びの重要性を今日の社会環境の中で実現するには、大人の子どもの遊びに対する再考が求められる。まず、自己形成としての遊びは、(1)身体化される遊びであることが重要である。すなわち単に体を動かすだけでなくそのことを通して他者と交わり他者に存在を認められる行為としての身体活動であること。更には(2)身体化された遊びから想像力の世界へとつなげていくことが重要である。すなわち五感を働かせ、そこに無いものや目に見えないものへのあこがれや恐れなど想像力を豊かにすることである。それらは日本の伝承遊びなどに見られるが、まず大人がそのような遊びの価値に気づき、子どもへ働きかけることが重要である。
著者
工藤 真由美 Mayumi Kudo 四條畷学園短期大学保育学科 Shijonawate Gakuen Junior College
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
no.40, pp.42-48, 2007

本稿は、いのちが希薄化した今日の社会情勢に鑑み、いのちの重み、大切さを実感できるような、実践的で本質的ないのちの授業を構想することがねらいであり、そのために過去の教育実践を紐解き、そのエッセンスを汲み取ることを主眼とする。横浜の浜之郷小学校の校長、大瀬敏昭氏は自身の闘病から死に至るまでを、その死と直面しつつ生きる心情、絶望と恐れ、希望と勇気を、それらを与えてくれた絵本との出会いというかたちで子どもたちに紹介していく。彼の自己の病状を包み隠さず、平易な言葉で子どもたちに語りかけていく「いのちの授業」の実践記録が、我々に示唆するところは大きい。それは、我々自身が人生から問われたものとして、真摯に日々生きる姿の中にこそ、真の「いのちの授業」が生まれてくるというものであり、また、最後まで学び続け変わることが人間の可能性であり、その点で死は人間にとって成熟する最後のチャンスであるということである。
著者
工藤 真由美
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-5, 2012-05

経済協力開発機構(OECD)による「生徒の学習到達度調査」(PISA)により、日本の子どもの学力が低下していることが明らかにされた。従来の「ゆとり教育」を見直し、学力向上へと視点を移すきっかけになった。その後2010年12月、「PISA2009」の結果が公表された。3年ごとの実施を受け、毎回参加国が増え現在では65か国が参加するまでになり、PISAの世界に対する影響の大きさを窺い知ることができる。「PISA2009」の結果から日本の子どもの学力が読解リテラシーを中心に上昇に転じたことがわかる。しかし、PISAに対応した全国学力調査の実施等から、実はPISAもテスト形式であり、訓練成果が反映される様相がみられる。他方「高等教育における学習成果の評価」(Assessment of Higher Education Learning Outcomes)ーAHELOーいわゆる大学版PISA)の導入の動きがなされている。今後大学教育の成果の国際比較や、同じくDECECOのDeSeCo(「コンピテンシーの定義と選択:その論理的・概念的基礎」プロジェクト)が示す社会人としての能力(キー・コンピテンシー)との関係も考察しながら、学生を社会に送り出す大学教育のあり方が検討されるべきである。
著者
柳井 晴夫 亀井 智子 中山 和弘 松谷 美和子 岩本 幹子 佐伯 圭一郎 副島 和彦 中野 正孝 中山 洋子 西田 みゆき 藤本 栄子 安ヶ平 伸枝 井上 智子 麻原 きよみ 井部 俊子 及川 郁子 大久保 暢子 小口 江美子 片岡 弥恵子 萱間 真美 鶴若 麻理 林 直子 廣瀬 清人 森 明子 奥 裕美 外崎 明子 伊藤 圭 荘島 宏二郎 植田 喜久子 太田 喜久子 中村 洋一 菅田 勝也 島津 明人 金城 芳秀 小林 康江 小山 眞理子 鶴田 恵子 佐藤 千史 志自岐 康子 鈴木 美和 高木 廣文 西川 浩昭 西山 悦子 野嶋 佐由美 水野 敏子 山本 武志 大熊 恵子 留目 宏美 石井 秀宗 大久保 智也 加納 尚美 工藤 真由美 佐々木 幾美 本田 彰子 隆 朋也 中村 知靖 吉田 千史 西出 りつ子 宮武 陽子 西崎 祐史 山野 泰彦 牛山 杏子 小泉 麗 大西 淳子 松本 文奈 鶴見 紘子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

近年、看護系大学の急増と医療の高度化に伴い、卒業までに取得すべき看護実践能力の評価の重要性が増加している。その一環として、臨地実習に入る直前の段階までに看護学生が取得すべき知識・能力を正しく評価しておくことは看護実習の適正化のための急務の課題である。このような状況に鑑み、申請者は、2008~2010年に科学研究費補助金を受け、看護系大学の学生が臨地実習以前に必要とされる知識・能力の有無を検証することを目的として、看護学18領域から約1500の多肢選択式形式の設問を作成し、730名の学生に紙筆形式のモニター試験、および、220名の学生に対するコンピュータ試験(CBT:Computer Based Testing)を実施し、その結果を比較し、全国看護系大学共用のコンピュータ試験の有用性を確認した。