著者
中川 知宏 仲本 尚史 國吉 真弥 森 丈弓 山入端 津由 大渕 憲一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.18012, (Released:2019-07-10)
参考文献数
40

The aim of this study was to investigate why certain youths identify with delinquent groups by examining specific factors that increase identification with them, such as intergroup relationships. Specifically, we hypothesized that the permeability of group boundaries would moderate the effect of group discrimination on identification with a delinquent group. In total, 96 male youths were recruited from four juvenile classification homes. The results revealed that youths who perceived group boundaries with lower compared with higher permeability cognitively identified with delinquent groups more strongly when perceiving group discrimination from teachers or the police; this finding supported our hypothesis. No other significant interaction effect was observed. Conversely, in terms of affective identification, we found an unexpected interaction between the permeability of group boundaries and group discrimination from peers. Overall, the findings did not support our hypothesis. However, some of the results suggest that delinquent youths may be able to decrease cognitive group identification by having friends outside of the delinquent group, even if they experienced discrimination from conformity groups such as teachers and the police.
著者
國吉 真弥
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.21-36, 2015-08-05 (Released:2017-03-23)
参考文献数
25

本研究では,集団場面における粗暴行為に影響を与える変数として,自己呈示目標,自己呈示を向ける対象及び印象操作への動機づけに焦点を当て,場面想定法を用いた質問紙により検討を行った。調査対象者は,非行少年(少年鑑別所収容中の男子少年194名)と無非行少年(非行歴のない男子高校生204名)であった。その結果,不良集団所属歴のある非行少年は,無非行少年に比べ,自分を強く見せようと虚勢を張るような自己呈示目標を抱きがちであること,自己呈示を向ける対象として「仲間」や「相手」を意識しがちであること,本研究で用いられたタイプの印象危機場面で印象操作へ強く動機づけられることなどが明らかになった。次に,想定場面で印象操作を動機づけられた少年を抽出し,そのうち,想定場面で粗暴行為を実行しようとする少年(高粗暴群)と実行しようとしない少年(低粗暴群)とを比較したところ,高粗暴群は,自分を強く見せようと虚勢を張るような自己呈示目標を抱きがちである一方,低粗暴群は,社会的に受け入れられやすい穏当な自己呈示目標を抱きがちであること,高粗暴群は,自己呈示を向ける対象として「仲間」や「相手」を意識しがちである一方,低粗暴群は「周囲の人」を意識していることなどが明らかになった。
著者
國吉 真弥
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-14, 2017-08-15 (Released:2017-09-14)
参考文献数
18

本研究では,印象操作への動機づけ,自己呈示目標,社会的視野の広狭といった自己呈示に関連する諸要因が集団場面での粗暴行為に及ぼす影響を検討した。調査対象者は,少年鑑別所収容中の男子少年194名(非行群)及び非行歴のない男子高校生204名(無非行群)であった。共分散構造分析を用いて検証した結果,無非行群では(a)虚勢的自己呈示目標は,粗暴行為に正の影響を与える,(b)順社会的自己呈示目標は,粗暴行為に負の影響を与える,(c)印象操作への動機づけは,虚勢的自己呈示目標に正の影響を与える,(d)印象操作への動機づけは,順社会的自己呈示目標に正の影響を与える,(e)独善・仲間内主義傾向は,虚勢的自己呈示目標に正の影響を与える,(f)他者視点の取得傾向は,順社会的自己呈示目標に正の影響を与えるという関連が確認された。一方,非行群においては(d)の関連は見られなかった。