著者
近藤 泰人 玉川 達 園田 大 松井 啓夫 塩見 和 佐藤 之俊
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.12-20, 2019-01-15 (Released:2019-01-15)
参考文献数
26

抗リン脂質抗体症候群(APS)は,動静脈血栓症を伴う自己免疫疾患である.APS合併肺癌は稀で,その意義は明らかでない.【症例1】75歳女性.検診で血小板低値を認め,精査でAPSと診断された.胸部CTで右下葉に103 mm大の腫瘤影と#7リンパ節腫大を認めた.精査で扁平上皮癌(SCC)と診断され,右下葉切除術を行った.入院時に血小板低値を認めた.術前,術中に血小板輸血を行い,合併症なく退院した.【症例2】66歳男性.副甲状腺腺腫精査のMIBGシンチグラフィーで左S6に31 mm大の腫瘤影を認めた.精査でSCCと診断され,左下葉切除術を行った.入院時に血小板低値と凝固時間延長を認めた.既往歴にAPSと心房細動があり,バイアスピリンとワルファリンを内服していた.術前に同薬剤を休薬し,未分画ヘパリンを投与し,合併症なく退院した.APS合併肺癌の外科的治療には慎重な周術期管理を要すると考える.
著者
髙山 耕二 平野 里佳 園田 大地 中村 南美子 大島 一郎 中西 良孝
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部農場研究報告 = Bulletin of the Experimental Farm Faculty of Agriculture, Kagoshima University (ISSN:03860132)
巻号頁・発行日
no.40, pp.19-21, 2019-03

平飼い条件下での薩摩黒鴨™の産卵性に関する基礎的知見を得ることを目的とし,産卵率,孵化率および卵質について検討した.2017年12月23日から2018年6月21日にかけて,鹿児島大学農学部附属農場内動物飼育棟において飼養試験を行った.180日齢の薩摩黒鴨™12羽(♂3,♀9)を14㎡の飼育スペースで市販成鶏用配合飼料(粗タンパク質含量15%,代謝エネルギー含量2,800kcal/kg)を不断給与しながら群飼した.180~360日齢における薩摩黒鴨™の産卵率は79.2%であった.受精率は97.0%,対受精卵孵化率は77.1%であった.薩摩黒鴨™ 卵に占める卵黄の割合は,市販鶏卵のそれに比べて有意に大きく(P<0.05),その化学成分では薩摩黒鴨™卵の水分含量が市販鶏卵より有意に低く(P<0.05),タンパク質含量が有意に高かった(P <0.05).以上より,薩摩黒鴨™ の産卵能力および繁殖能力は他のアヒル類よりも高く,その卵質は鶏卵とは異なることが示された.