著者
土屋 尚之 川﨑 綾 岡 笑美 古川 宏
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.74-83, 2015 (Released:2015-08-11)
参考文献数
51
被引用文献数
4

1973年の強直性脊椎炎とHLA-B27の関連の発見以来,40年以上にわたり,HLA遺伝子群は,リウマチ・膠原病において最も確立した病因的因子であり続けている。これまで,多くの関連研究や分子機構を探る研究が積み重ねられ,その時代の先端的解析法を駆使して,多くの知見が明らかになるとともに,それ以上の新たな疑問が産み出されてきた。本稿では,代表的なリウマチ性疾患・膠原病および類縁疾患について,日本人集団を中心に関連研究の成果をまとめるとともに,リウマチ性疾患に関するHLA研究の最近の進歩について概説する。
著者
本江 朝美 金井 和子 土屋 尚義
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1_61-1_68, 1996-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
12

本研究は,睡眠障害を把握し対応を考察するために,セルフケア可能な23例を対象とし,起床前後の心電図変化と睡眠に関するアンケート調査結果との関連を検討した。その結果,以下の知見を得た。① 不眠感,不満感は,52.2%で認められた。不眠感を訴える人は,就床時および中途覚醒時のねつき時間が長く,早朝覚醒後起床に至るまでの時間が長い傾向があった。不満感を訴える人は,むしろ不快症状を有し,それらは夢を伴う場合が多い傾向があった。② 起床前後の心拍数の変動は,起床前2時間から1時間では夜間睡眠安定時の平均心拍数より3.63±3.54bpmの増加がみられ,その後起床30分前から徐々に増加しはじめ起床後10分でピークに達した。これらの心拍数の変動は,不満感の有無では差は認められなかったが,不眠感の有無で比較すると,不眠感がない人は起床30分前から徐々に心拍数が増加するのに対し,ある人は起床10分前になって急激に心拍数が増加した。また起床に至るまで30分以上目覚めている人は,起床前90~70分で心拍数が増加しており,6時以降に起床した人は起床5分前から急激な心拍数が増加した。③ 起床前後の不整脈の出現については,不眠感不満感との関連を認めなかった。