著者
阪本 仁 小阪 真二 土屋 恭子
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.928-931, 2009-11-15 (Released:2010-01-28)
参考文献数
10

1999年3月から2008年9月までに新生児気胸と診断された50症例を検討した.男児が33例,女児が17例であった.病側は左側が14例,右側が23例,両側13例であった.超未熟児が2例,極小未熟児が3例,低出生体重児が10例,巨大児が1例で,他の34例は正常体重であった.早期産が15例,正期産は35例で過期産はなかった.発症日齢は日齢0が31例で最も多かった.肺基礎疾患は胎便吸引症候群が17例,呼吸窮迫症候群が13例,新生児一過性多呼吸が12例,肺低形成が4例であった.気胸発症前に呼吸器管理を受けた症例が24例であった.治療は胸腔ドレナージが13例(2例が両側),胸腔穿刺が2例,高濃度酸素療法が4例であった.気胸の転帰は46例が軽快で,4例が死亡であった.胸腔ドレナージを施行した13例のうち早期産が10例,気胸発症前に呼吸器管理を受けた症例が12例で,それぞれ正期産,発症前に呼吸管理を受けなかった症例と比べて有意に頻度が高かった.死亡例4例のうち早期産が3例,気胸発症前に呼吸器管理を受けた症例が4例で,死亡例全例に肺基礎疾患を認めた.早期産および気胸発症前に呼吸器管理を受けた症例において積極的な胸腔ドレナージの適応と考えられた.
著者
志茂 新 大井 涼子 黒田 貴子 小島 聖子 永澤 慧 岩重 玲子 志茂 彩華 土屋 恭子 上島 知子 白 英 川本 久紀 津川 浩一郎
出版者
日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌 = Journal of Japan Association of Breast Cancer Screening (ISSN:09180729)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.250-254, 2013-07-20

現在,乳癌検診はピンクリボン運動やメディアの影響もあり,検診の中でも普及しつつある分野ではあるが,実際カテゴリー3以上の要再検者の2次検診においては各病院が悲鳴を上げているのが現状である。精査や経過観察をしていても乳癌が否定的なカテゴリー3以上の要再検者が数多くいて,がん診療連携拠点病院においては癌患者とともに癌ではない要再検患者を診ていかなければならず,乳腺外科の外来時間はどこの病院でも長く,院内でも不評のもとになっているのが現状である。そこで当院は2009年に乳癌検診専門のブレストイメージングセンターを立ち上げ,1次検診のみならず,2次検診も大学病院と分けることや10年以上経過した乳癌術後の患者たちをブレストセンターでフォローすることで,大学病院の外来時間の短縮が可能になった。のみならず関連病院の検診システムを工夫することで,外来時間は短縮しつつも手術件数を全国3位になるまで増やすことを可能にした。今回は当院独自の検診システムおよび医局員が少なくとも手術件数を増加させるに至ったスタッフの勤務体制を報告する。
著者
陳 豊史 本山 秀樹 土屋 恭子 高萩 亮宏 齊藤 正男 田中 里奈 宮本 英 大畑 恵資 高橋 守 近藤 健 青山 晃博 伊達 洋至
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.164-167, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
15

To overcome the severe donor shortage in lung transplantation, it is crucial to use the marginal donor lungs and lungs from cardiac-death donors, which are supposed to be actually or potentially damaged. To utilize these damaged donor lungs safely, it is important to evaluate such donor lungs objectively before lung transplantation. Recently, ex vivo lung perfusion (EVLP) was developed and has been introduced internationally. Several clinical trials are also ongoing in Europe and North America. In this situation, we also established EVLP in small and large animals. Then, we have investigated the quality of donor lungs using EVLP and tried to treat the donor lungs during EVLP before lung transplantation. We also established several injured lung models and performed various experiments using EVLP, proving that damaged donor lungs could be treated with several drugs using EVLP. Furthermore, we investigated the detection of the regional lung damage using thermography. Herein, we demonstrated our findings and discussed the future of EVLP.