著者
高橋 純一 福井 順治 椿 宜高
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.73-79, 2009
参考文献数
41

絶滅危惧種であるベッコウトンボの羽化殻を用いたRAPD解析によって、ベッコウトンボの集団に直接影響を与えることなく、遺伝的多様性を明らかにした。静岡県磐田市桶ヶ谷沼地域の3つの発生地で採集した60個体に対して80種類のプライマーを使用しRAPD解析を行った。17種のプライマーから20個の遺伝子座で多型が検出され、12種のDNA型が見つかった。そのうち集団特異的なDNA型が合計4つ検出された。遺伝子多様度は平均0.317、遺伝子分化係数は平均0.07となり、集団間の多様性は小さかった。AMOVA分析によっても集団間の分化は検出できなかった。また3集団から見出された変異は98.7%が集団内の個体間変異に、集団間では1.3%となった。クラスター分析からも集団間は非常に類縁関係が高いことが明らかになった。
著者
桑原 昌則 近藤 史明 濱田 知幸 高橋 純一 竹中 奈苗 吉本 光広 宮野 伊知郎 北岡 裕章 土居 義典
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.893-899, 2014 (Released:2015-07-13)
参考文献数
7

症例は独居の80歳, 女性. 2012年10月下旬, 全身倦怠感, 食欲不振を主訴に近医を受診し経過観察入院となった. 入院後, 末梢静脈からの点滴による治療等で経過をみていたが, 前医入院第13病日より意思の疎通が困難となり, 第17病日には収縮期血圧が60mmHgまで低下したため当院救急搬送となった. 来院時, 血圧84/47, 脈拍数119/分で, 意識レベルはE3V4M5であり, 集中治療室にて治療管理となった. 心エコーでは左室収縮能はほぼ正常であり, 心原性ショックは否定的と思われた. 動脈血液ガスで, pH 7.311とアシドーシスを認め, 乳酸も130mg/dLと高値であったためビタミンB1欠乏の可能性を考慮し, フルスルチアミン150mgの静注後, フルスルチアミンの持続点滴を開始した. 入院翌日には血圧は安定し, 意識レベルも改善した. 後日, ビタミン投与前のビタミンB1値が8ng/mLと著明な低値であることが判明した. 第2病日から第6病日までフルスルチアミン50mg/日の持続点滴を行い, 第7病日よりフルスルチアミン100mg/日の内服投与により, 血圧, 意識レベルは安定して経過した. 今回, 独居の高齢女性で, ビタミンB1欠乏によるショック, 意識障害をきたした症例を経験したので報告する.
著者
高橋 純一
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
燃料協會誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.2, no.10, pp.五〇一-五一八, 1923-07-20

ケロジェン(油母)と稱せらるゝものは水成岩中に含まるゝ有機物中溶劑には冒され難く只乾餾に由りて油化し得る成分なり。而してオイル・シェールは勿論石炭又は普通の水成岩の内には多少此種の成分を含むもの尠なからざれば油母頁岩なる名稱は極めて廣き範圍の岩石を含むものとす。茲にては此等の内より比較的オィル・シェールに近き性質のものに就きて基本邦に於ける分布、産状を述べ其性質並に成因を略述し、更に一般油母岩に於ける有機、無機兩成分間の關係、天然又は人工乾餾に於ける無機成分の影響、油母岩と石油礦床との關係に論及せんとす。
著者
高橋 純一 行場 次朗
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第18回大会
巻号頁・発行日
pp.112, 2021-03-15 (Released:2021-03-15)

本研究では,アファンタジア傾向者の視覚イメージ特性について一事例検討を行った。アファンタジアとは,視知覚に異常は認められないにも関わらず,視覚イメージの形成に困難を示す状態である。本研究の事例(K)について,視覚能力(レーブン・テスト)とイメージ能力(鮮明性,統御性,常用性[認知スタイル])の測定を行った。結果から,Kの視覚能力について問題は見られなかった。イメージ能力では,視覚,触覚や痛覚などに関するイメージは皆無であったが,聴覚イメージのみ弱く保たれていた。また,視覚イメージの欠如から,統御性は判断ができなかった。さらに,認知スタイルについては,視覚処理よりも言語処理の優位性が明らかとなった。以上より,アファンタジア傾向者では,視覚イメージが欠如している一方で,他の感覚モダリティに関するイメージ(e.g., 聴覚イメージ)の残存性と言語処理の優位性について,認知の代償性が存在すると考える。We examined a single case of Aphantasia, focusing on mental imagery abilities. Aphantasia is a condition in which individuals have difficulties in forming mental imagery although their visual perception is intact. The subject (K) had never experienced visual imagery. His visual (Raven’s test) and imagery abilities (vividness, controllability, and cognitive style) were assessed. While he displayed no difficulty in his visual abilities of perceiving/discriminating objects, he showed a complete deficit in his imagery abilities of visual, tactile, pain, gustatory, olfactory, and somatic image clarity. There may have also been substantial deficits in auditory image. He could not judge controllability due to his blind imagination. Moreover, his cognitive style seemed to mainly involve verbal strategies. We speculated that individuals with Aphantasia display cognitive compensations for their blind imagination, for their imagery to function in some modality (e.g., auditory imagery) and they show superiority in verbal processing.
著者
高橋 純一 山崎 和久 光畑 雅宏 Martin Stephen J. 小野 正人 椿 宜高
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.101-110, 2010-05-30
被引用文献数
1

外来種セイヨウオオマルハナバチBombus terrestrisの野生化は、日本の在来マルハナバチの減少を引き起こしている。北海道の根室半島は、在来マルハナバチ15種のうち10種が分布し、北海道の希少種ノサップマルハナバチB.florilegusも生息しているため、重要な生息地の1つである。我々は2009年5月から9月に根室半島において在来マルハナバチ10種と外来種セイヨウオオマルハナバチの生息状況を調査した。その結果、訪花植物上で累計1000個体以上の在来マルハナバチ10種と外来種セイヨウオオマルハナバチを観察することができた。セイヨウオオマルハナバチは根室半島全域で見つかったが、根室市街地でのみ優占種となっていた。ノサップマルハナバチは女王蜂2頭と働き蜂14頭を沿岸部でのみ観察することができた。本種は根室半島において生息地の縮小及び分断化が進んでいるが、特にセイヨウオオマルハナバチが多い地域では、希少種ノサップマルハナバチと近縁種エゾオオマルハナバチBombus hyporita sapporoensisの減少が示唆された。これらの結果は、根室半島における在来マルハナバチの保護に早急な保全対策が必要であることを示している。
著者
高橋 純一 山田 憲幸
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1257-1277, 2004 (Released:2005-03-28)
参考文献数
87
被引用文献数
9 17

誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)のバックグラウンドスペクトルには,試料やプラズマガスに起因する種々の多原子分子イオンが観測される.微量定量分析を妨害するこれらのイオンを除去する上で,質量分析計の手前にセルで囲ったイオンガイドを設け,気体分子とイオンとを衝突させる手法(collision/reaction cell)が非常に有効であることが示された.Collision/reactionガスの選択,セル内で副成するイオンの除去法,イオンの運動エネルギーの制御の仕方などにいろいろなバリエーションが見られ,少しずつ方式の異なる装置が市販されている.それらの原理,使用に際しての最適化,種々の試料への応用について概観する.試料への応用を通じて,期待される性能,あるいはその限界について紹介する.
著者
高橋 純一 安永 大地 杉村 伸一郎 行場 次朗 坂本 修一 堀川 友慈 齋藤 五大 大村 一史
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究が対象とする「アファンタジア(aphantasia)」は,実際の知覚は機能しているにもかかわらず心的イメージが機能しない特質のことであり,新たな事例として提唱された。心的イメージとは刺激対象が実際に目の前に存在していなくとも,それを疑似体験できる機能である。私たちは想像(創造)や思考など日常生活で意識せずにイメージを多用しているが,アファンタジア当事者はイメージを思い浮かべることが少ないことから,結果的にイメージ以外の情報処理機構を用いていると推測できる。本研究は,アファンタジアという新たな事例の認知・神経科学的理解を通して,社会におけるアファンタジア理解を促進しようとするものである。
著者
高橋 純一 杉村 伸一郎 大村 一史
出版者
福島大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

本研究が対象とする「アファンタジア(aphantasia)」は2015年に提唱された新たな事例で,実際の知覚は機能しているが心的イメージを形成しにくい特質である。現在,成人を対象とした研究が展開されており,その知覚および心的イメージの特徴について知見が得られ始めている。アファンタジアは先天的な特質であるため,幼児期・児童期でも既に心的イメージ形成の困難さが生じている可能性が推測される。本研究は,幼児期・児童期におけるアファンタジアの新奇事例を提唱し,その定義を可視化できるアセスメントツールを開発しようとするものである。
著者
溝端 丞之介 奥山 永 清 拓哉 高橋 純一
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.2-7, 2023-03-25 (Released:2023-04-13)
参考文献数
20

The yellow-legged hornet Vespa velutina was accidentally introduced into near Oita port in Japan, and firstly founded the colony in 2018. We estimated its origin by the morphological comparison among the subspecies of V. velutina, and also by the mitochondrial DNA sequence analysis. Our results revealed that the hornet which was collected in Oita was V. v. nigrithorax, and its mitochondrial DNA haplotypes unmatched the unique haplotype which present in Taiwan, China (Jiangsu), South Korea, and Japan (Tsushima, Iki, and Kitakyushu). These findings suggest that the origin of V. velutina in Oita is other regions, and seems to be introduced via the regular routes of cargo ships.

1 0 0 0 地理學通論

著者
高橋純一著
出版者
隆文館
巻号頁・発行日
1927
著者
井関 隆士 小林 純一 高橋 純一
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.138, no.8, pp.129-133, 2022-08-31 (Released:2022-08-25)
参考文献数
14

As pyrometallurgical technologies to smelt nickel metal from the oxide ore, melting reduction process using an electric furnace (Elkem) and semi-melting reduction process using a rotary kiln (Krupp-Renn) with a saprolite ore as a raw material have been established and operated commercially. However, in the future, it is expected that it will be difficult to smelt nickel from the oxide ore because of the decline of nickel grade in the ore and it is necessary to develop a new process adaptable to lower grade ore and difficult processing ore.The authors have conducted fundamental research on the pyrometallurgical reaction of low grade and difficult processing nickel oxide ore smelting by the rotary hearth furnace (RHF). Liquefied gas burner will be supposed from points of cost, reduction of global warming gas and so on in the operation of Ni smelting. On the other hand, it is getting clearer that Fe and Ni metallization degree in liquefied gas burning atmosphere are lower than those in N2 atmosphere. The reason have been guessed effects of H2O generating in liquefied gas combustion. The results about effects of H2O to reduction reaction of low Nickel grade oxide ore is described in this report.
著者
高橋 純一
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.113-118, 2022 (Released:2022-06-17)
参考文献数
23
被引用文献数
1

ニホンミツバチApis cerana japonicaのハチミツは, 自然発酵することが知られている。しかし, 発酵したハチミツは, 販売されることがほとんどない未利用資源となっている。本研究では, 発酵したニホンミツバチのハチミツを食品として利用するため一般成分と25種の遊離アミノ酸を分析した。発酵したハチミツは, グルタミンやGABA, シスチン, フェニルアラニン, プロリンの5種で大幅な含有量の増加が確認された。さらに, 未発酵のハチミツでは未検出であったヒスチジンやシトルリン, テアニン, シスチン, メチオニン, トリプトファンの6種が発酵したハチミツのみに確認された。一方で, 一般栄養成分には大きな相違は見られなかった。発酵したハチミツのみで増加していた遊離アミノ酸の存在が, 今回はじめて確認された。これらのアミノ酸は, ヒトやミツバチにとって有用であることから, 未利用資源である発酵ハチミツの利用が期待できる。
著者
高橋 純一 大庭 伸也 熊野 了州
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

対馬、壱岐、北九州、大分に侵入した特定外来種ツマアカスズメバチについてミトコンドリアDNAの全長解析から国内に侵入した個体間には遺伝的変異は存在しないこと、自然分布地の中国、台湾、ベトナム、中国浙江省の個体と一致することがわかった。食性は樹冠に生息する昆虫類であることをDNAバーコーディング法により明らかにした。捕獲トラップは地上部よりも、樹冠10m付近が最も多く捕獲することができた。繁殖は、主に樹冠で交尾をするキイロスズメバチと交雑をしており、在来種に対して繁殖干渉を行っていることがわかった。
著者
高橋 純一 福井 順治 椿 宜高
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.73-79, 2009-05-30 (Released:2018-02-01)
参考文献数
41

絶滅危惧種であるベッコウトンボの羽化殻を用いたRAPD解析によって、ベッコウトンボの集団に直接影響を与えることなく、遺伝的多様性を明らかにした。静岡県磐田市桶ヶ谷沼地域の3つの発生地で採集した60個体に対して80種類のプライマーを使用しRAPD解析を行った。17種のプライマーから20個の遺伝子座で多型が検出され、12種のDNA型が見つかった。そのうち集団特異的なDNA型が合計4つ検出された。遺伝子多様度は平均0.317、遺伝子分化係数は平均0.07となり、集団間の多様性は小さかった。AMOVA分析によっても集団間の分化は検出できなかった。また3集団から見出された変異は98.7%が集団内の個体間変異に、集団間では1.3%となった。クラスター分析からも集団間は非常に類縁関係が高いことが明らかになった。
著者
山下 雄 高橋 純一
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.137, no.10, pp.98-102, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)
参考文献数
10

A pyrometallurgical process of metal recycling from waste lithium-ion batteries (LIB) has been developed. Basic process is that Co, Ni oxides which are from cathode materials of LIB and Cu which is from anode current collector are smelted and are reduced to metal, and the metal is refined in a next hydrometallurgical process. Since Al and Li contained in LIB are distributed to slag as oxides in the melting process, it is important to know the influence of these elements on the melting temperature of slag in determining the operating conditions. Therefore, the effects on the slag melting temperature when these elements and the amount of flux are changed are investigated and compared with the calculation results in FactSage (thermodynamic calculation software). In addition, based on the obtained melting temperature, waste LIB and flux were mixed and melted, and it was confirmed whether the metal and slag could be separated.
著者
高橋 純一 竹内 実 松夲 耕三 野村 哲郎
雑誌
京都産業大学先端科学技術研究所所報 = The bulletin of the Research Institute of Advanced Technology Kyoto Sangyo University (ISSN:13473980)
巻号頁・発行日
no.13, pp.25-37, 2014-07

日本で飼養されているセイヨウミツバチApis melliferaの系統調査とアフリカ化ミツバチやアフリカ系統が侵入してきたときの識別法としてミトコンドリアDNA のPCR-RFLPおよび塩基配列の適用性の検討を行った。サンプルはヨーロッパおよびアフリカと日本各地の12地域のミツバチ群を使用した。ミトコンドリアDNAのCOI-COII間を特異的に増幅するPCRを行ったところPCR産物長の違いで亜種間を識別できることが示された。日本のセイヨウミツバチは、すべての個体がA. meliifera ligsticaのC系統と一致していたためPCRと電気泳動によりアフリカ系統のセイヨウミツバチA. mellifera scutellataと識別可能であることがわかった。M系統のセイヨウミツバチは輸入されている可能性もあるため、もしM系統のハプロタイプが見つかった場合には、PCR-RFLPと塩基配列の解析の方法を併用することにより迅速に日本におけるセイヨウミツバチの遺伝構造やアフリカ産のミツバチと識別が可能であることが明らかになった。
著者
高橋 純一
出版者
京都産業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

セイヨウミツバチの帰化による在来種ニホンミツバチの影響を調査した。野外での観察実験と人工授精法による種間交雑実験を行ったところ、交雑女王蜂は繁殖様式を雌性単為生殖へと変化していた。両種が生息している地域では、ニホンミツバチの遺伝的多様度は低かった。これらの結果から、ニホンミツバチは種間交雑により単為生殖を行うようになり、遺伝的多様性の低下の原因となっている可能性が示唆された。
著者
高橋 純一 野村 哲郎 Jun-ichi TAKAHASHI Tetsuro NOMURA 京都産業大学総合生命科学部 京都産業大学総合生命科学部
出版者
京都産業大学先端科学技術研究所
雑誌
京都産業大学先端科学技術研究所所報 = The bulletin of the Research Institute of Advanced Technology Kyoto Sangyo University (ISSN:13473980)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.31-40, 2015-07

ミツバチ科マルハナバチに属するエゾオオマルハナバチBombus hypocrita sapporoensisは、特定外来種であるセイヨウオオマルハナバチの代替花粉交配用昆虫として注目されている。今回我われは、本種の農業利用を進めるための遺伝育種学的解析に必要なマイクロサテライトDNAマーカーの適用性を検討した。120種類のマーカーのうち、57種類が多型解析に利用できることがわかった。さらに8種類のプライマーは、マルチプレックスPCRによる同時解析が可能であることを明らかにした。これらのツールキットを利用して女王蜂の受精嚢内から単離した精子DNAの解析を行ったところ、交配雄蜂の遺伝子型を特定できることがわかった。 The Bumblebee is a eusocial Hymenoptera with an annual life cycle and is often utilized as an agricultural pollinator. We developed an polymorphic microsatellite DNA toolkit for the Japanese bumblebee Bombus hypocrita sapporoensis using multiplex PCR. At 57 of these 120 loci, high allelic variation was observed in 20 individual males. In addition to a method of spermathecae PCR, we developed 8 polymorphic microsatellite DNA toolkit for the B. h. sapporoensis. These results suggest that high-throughput genotyping method can be used to gain more information regarding breeding systems and for more deeply understanding social evolution in the B. h. sapporoensis.