著者
坂元 宗和 高木 幹雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.8, no.17, pp.19-24, 1984-08

デザイン上意味のある点でのデータを使って, スプライン補間で骨格を作り, 径と向きを調整した偏平八角形の筆触形態を逐次出力する方法により.フォント設計システムを試作した.入力単位は字枠の0.2%, 出力フォントのドット数, アスペクト比, 線幅, 太線対細線の線幅比は自由に変えられる.ひらがな, カタカナを試作し, 電算写植用として使用しうる品質のフォントを得た.実効データは1字当り約80バイトである.
著者
坂元 宗和
出版者
The Linguistic Society of Japan
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.98, pp.27-45, 1990-12-25 (Released:2010-11-26)
参考文献数
34

上代日本語のe甲, O甲の来源は, 開口度の増加によるi甲>e甲, U>o甲であり, 母音音節の場合はそれぞれye, woに発展した。上代は短い期間なので, 古い用例が必ずしも古形とは言えず, 改新の先駆である場合がある。従って, i甲~e甲, u~o甲のダブレットの用例の新旧から変化を判定するのではなく, 別の音韻変化を伴う語例を利用した。たとえば, e甲の場合には, フキ甲 (吹き) とフ江 (笛) を結びつける中間形*ブイ, o甲の場合には, シヅ江 (下枝) の前項とシモ (下) に共通祖形*シムを推定すれば, 各一方は自然な音韻変化であるから開口度の増加が結論できる。さらに, ビアトゥス回避の法則がからむ語例と, 同音語を導く枕詞の例を補足し, 傍証とした。通説のa後接説の根拠となった完了の助動詞リは連体形にアリが付いて成立したものではなく, アリの異形態リが付いたものであることを, 他のビアトゥス回避の結果から推測した。従って, i甲+a>e甲, u+a>o甲ではない。
著者
坂元 宗和 高木 幹雄
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.63(1992-CG-058), pp.35-42, 1992-08-10

2変数関数の剰余類を選んで平面上にプロットすると,思いがけない複雑なパターンが現れる.そのいくつかの論理和をとり,画像処理的に加工してジャギネスを抑えると,白黒の模様ができる.4枚の白黒模様を重ね,色番号を定義するビット・プレーンと見て,各色番号に重複して色価を割当てれば,新しいモチーフが出現し,カラー模様ができる.高品質の模様を作るには,適切な生成関数のパラメータ選択とデザイン加工が必要である.パラメータ選択が理論的な知識に基づくことは言うまでもないが,審美的判断を必要とする美術的応用の際は,応用分野における評価の基準を知らなければならない.
著者
坂元 宗和
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.98, pp.27-45, 1990

上代日本語のe甲, O甲の来源は, 開口度の増加によるi甲>e甲, U>o甲であり, 母音音節の場合はそれぞれye, woに発展した。<BR>上代は短い期間なので, 古い用例が必ずしも古形とは言えず, 改新の先駆である場合がある。従って, i甲~e甲, u~o甲のダブレットの用例の新旧から変化を判定するのではなく, 別の音韻変化を伴う語例を利用した。たとえば, e甲の場合には, フキ甲 (吹き) とフ江 (笛) を結びつける中間形*ブイ, o甲の場合には, シヅ江 (下枝) の前項とシモ (下) に共通祖形*シムを推定すれば, 各一方は自然な音韻変化であるから開口度の増加が結論できる。さらに, ビアトゥス回避の法則がからむ語例と, 同音語を導く枕詞の例を補足し, 傍証とした。<BR>通説のa後接説の根拠となった完了の助動詞リは連体形にアリが付いて成立したものではなく, アリの異形態リが付いたものであることを, 他のビアトゥス回避の結果から推測した。従って, i甲+a>e甲, u+a>o甲ではない。
著者
坂元 宗和 高木 幹雄
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

2変数の関数の格子点における値の剰余を取り,その剰余が一定の値である場合には単位格子の形でプロットすることによって,多様な形が得られる.これを剰余パタ-ンと名づけ,模様のデザインに応用するための理論と手法を研究した.1.剰余パタ-ンの性質:剰余パタ-ンの周期,対称性などの幾何学的特徴が剰余関数の代数学的特徴に基づくことを明らかにした.従って,パタ-ンの論理合成は剰余関数の解集合の論理合成に相当するが,人間の知覚はパタ-ンの論理合成に対する分解能力が劣っていて識別できないので,合成パタ-ンも価値がある.2.生成原理のアルゴリズム化とデザイン手法の開発:必要な幾何学的特性に見合う剰余関数を選んで剰余パタ-ンを作り,これをいくつかOR合成して,複雑かつ美的なパタ-ンを作る.モチ-フの自然さを高める平滑化輪郭と部分塗り潰しを工夫し,作品の質が向上した.この模様(単色模様)をビット・プレ-ンと見て,ビット組合せに対して色を割当てると,単なる色違いとは異なる新しいモチ-フが発現する(カラ-模様).以上をプログラムとして纏め,パラメ-タ選択の基準を経験的に求めた.3.模様の制作と評価:約200点を試作し,成果報告書に約80点を載せた.提案した模様デザインの手法は作品の質および多産性についても満足すべきものである.上記の知識を組み込めば無限のペ-ジをもつデザイン・ソ-スブックとして使うことができる.4.ディジタル・システムの特殊性の利用:ディジタル・システムの非線形性,別の観点から言えば類推困難性,は制御するには都合が悪いが,本研究はこの性質に発想の役割を担わせる点に独自性がある.