著者
古屋 英治 名雪 貴峰 八亀 真由美 古海 博子 篠原 隆三 二村 隆一 金子 泰久 坂本 歩
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.553-561, 2002-11-01 (Released:2011-08-17)
参考文献数
14
被引用文献数
8 7

【目的】肩こりに及ぼす円皮鍼 (PTN) の効果をプラセボ円皮鍼 (P) を対照とした臨床試験 (CCT) で検討した。【対象及び方法】肩こりを有するボランティア男女合計53名を対象にした。PTNもしくはPの施術部位は後頚部、肩上部、肩甲間部の圧痛点で、3日間継続留置した。評価は3日後の肩こりの自覚及び施術前、施術直後、3日後の肩こり程度のVAS値とした。【結果】「肩こりがある」はP群25名中23例に対しPTN群は28名中12例に減少 (p<0.01) した。肩こりのVAS値はP群の施術前55.2±17.5、直後46.5±19.7、3日後45.9±21.7に対しPTN群の施術前52.5±20.7、直後40.5±22.4、3日後34.2±19.7となり、PTN群の直後 (P<0.05) 、3日後 (P<0.01) で減少した。【結論】円皮鍼の継続留置は肩こりを改善することが示唆された。
著者
金子 泰久 古屋 英治 坂本 歩
出版者
The Japan Society of Acupuncture and Moxibustion
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.158-165, 2006-05-01
参考文献数
17
被引用文献数
9 6

【目的】トライアスロン競技後の筋肉痛に及ぼす円皮鍼 (PTN) の効果をプラセボ (P) を対照群として検討した。<BR>【対象及び方法】トライアスロン競技に参加した選手男女合計149名を対象とした。PTNもしくはPによる刺激部位はL2-S1棘突起間外方2cmおよび第2後仙骨孔で、レース中のみの留置とした。評価はレース前、直後、翌日の腰下肢6部位 (大腿前面、大腿後面、下腿前面、下腿後面、腰部、臀部) の筋肉痛のVAS値とした。<BR>【結果】レース直後の筋肉痛は、レース前と比較して両群の全ての部位で増加しこれらは有意 (p<0.01) であった。PTN群では翌日の筋肉痛が直後と比べ臀部を除く全ての部位で減少し (p<0.Ol, p<0.05) 、レース前の状態に回復した。P群では翌日の筋肉痛は大腿後面が直後と比べて減少 (p<0.05) した。<BR>【結論】レース中の円皮鍼によって遅発性筋肉痛の発生が抑制されることが示唆された。
著者
古屋 英治 金子 泰久 小川 裕雄 石川 慎太郎 坂本 歩
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.166-174, 2006-05-01
参考文献数
18
被引用文献数
5 4

【目的】国体セーリング競技会場に設置したコンディショニングルームでセーリング選手の身体愁訴に対する鍼治療の直後効果を検討したので報告する。<BR>【方法】腰部の筋痛 (n=108) 、頚肩背部の筋痛 (n=72) に鍼治療を単独で行った。鍼治療は局所治療とした。調査項目は主訴およびその程度を示すVAS値とした。VAS値の有意差検定は対応のあるt検定とした。<BR>【結果】主訴は腰痛、頚肩背痛、その他の順に多かった。鍼治療は腰部の筋痛 (n=108) のVAS値を治療前53.2±21.5mmから後21.5±16.4mmに減少 (p<0.01) させた。また頚肩背部の筋痛 (n=72) のVAS値は治療前48.0±18.7mmが治療後18.5±15.2mmに減少 (p<0.01) した。<BR>【考察】国体セーリング選手の腰部、頚肩背部の筋痛に対して鍼治療は有効であり、競技現場で行うコンディション調整の一手法として、鍼治療の有効性が示唆された。