著者
藤岡 正子 佐古 隆之 木目 良太郎 下村 浩祐 長田 卓也 村瀬 訓生 勝村 俊仁
出版者
日本脈管学会
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.52, no.April, pp.223-228, 2012-04-10 (Released:2012-04-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1

要 旨:健常成人女性8名を対象に,随意最大筋力の30%強度,運動頻度1 Hzで疲労困憊に至るまで継続する掌握運動を1日1セット,週に5回,6週間のトレーニングを実施した。そのトレーニング前後に,漸増負荷掌握運動時における尺側前腕屈筋群の筋酸素消費量を近赤外連続光分光法を用いて評価した。その結果,最高筋酸素消費量はトレーニング前後で有意差は認められなかったが,最大運動強度はトレーニング後で有意に増加した。
著者
丸山 千寿子 岩根 久夫 高波 嘉一 勝村 俊仁
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.325-333, 1994-10-01
被引用文献数
2

長時間の競技であるトライアスロン競技選手男性18名について, 競技前々日, 前日, 当日のエネルギー消費量と栄養摂取量を調べた.<BR>1.体重は競技終了直後に前々日とくらべて1.2±1.2kg減少し, ヘマトクリットは前々日44.2±2.3%に対し, 競技終了直後は46.4±1.9%と有意に増加した.<BR>2.エネルギー消費量に対する摂取量の充足率は, 前々日は203±53%, 前日は151±40%と上回っていたが, 競技当日の充足率は55±27%と少なかった.<BR>3.前々日, 前日の摂取量は, 糖質エネルギー比は, 前々日が61.3±7.7%, 前日62.4±11.6%で競技前の摂取量が少ない者がいた.ミネラルとビタミン摂取量は個人差が大きく, 食事のみに依存する者においては, 競技に備えて不足する危険性が示唆された.<BR>4.競技中エネルギー摂取量は, 朝食で1006±361kcal, 自転車1692±608kcal, マラソン1087±874kcal, 合計3729±1452kcalであり, 糖質エネルギー比は朝食において71.8±14.4%, 自転車92.2±5.7%, マラソン88.2±13.3%であった.タンパク質, 脂質摂取量は朝食での摂取量が多く競技中は少なく, 競技中は主として糖質を摂取していた.ミネラル, ビタミンの摂取量は個人差が大きかった.水分摂取量は朝食で664±275ml, 自転車で3744±1664ml, マラソン2973±2363ml, 総摂取量7488±3653mlであった.<BR>5.所要時間の関係もあろうが, 一般にサプルメントや水分をとりやすい自転車競技中に多く摂取しており, マラソン中はいずれの栄養素も摂取量が少なかった.<BR>6.トライアスロンのような長時間にわたる競技において, 競技前から競技中にかけて糖質含量の多い食品を中心に摂取した場合に, 鉄やビタミンB群などの他の栄養素の絶対的, 相対的不足を招く危険性があり, 各栄養素間のバランスについて注意を要すると考えられた.
著者
木村 直人 勝村 俊仁 浜岡 隆文 下光 輝一
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.549-560, 1998-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

本研究の目的は, 磁気共鳴分光法 (31P-MRS) と近赤外分光法 (NIRS) とを用いて, 等尺性運動負荷時に見られる局所的な筋疲労, 特に運動強度の違いが筋疲労の程度や筋持久力 (持続時間) に及ぼす影響を細胞内の代謝および酸素動態の面から観察し, さらに各負荷強度の持続時間.どの関連について検討を加え, 以下の結果を得た.1) 各相対強度での持続時間は50%MVCで95.3±13.6秒, 30%MVCで209±41.9秒であり, また低強度の10%MVCでは963±236秒と, 50%MVC時の10倍であった.2) 運動中の各測定項目の変動をみると, 運動開始時においてPCrの低下及びPi (H2PO4-) の上昇が見られた.細胞内pHは運動開始40秒 (50%MVC) ~347秒 (10%MVC) まで安静時レベル (-6.95pHunit) 維持したものの, それ以降'低下を示した.また各測定項目 (pH低下率及びH2PO4-増加率) とも強度の上昇に伴いその変化の程度は増大を示した.3) 筋内の酸素化レベルは, 全ての強度において運動開始時直後から直線的に低下を示した.しかしながらその後の変化は各強度間で異なり, 10%, 30%MVCではその後上昇し一定レベルを維持した.一方50%MVCではさらに低下し, 平均値において10%を下回っていた.4) 各相対強度におけるpH低下率及びH2PO4-増加率と持続時間との間には, いずれも負の相関関係が認められた.pH低下率と持続時間との問にはr=-0.578~-0.871の相関係数が得られ, 10%, 30%MVCではそれぞれ有意 (P<0.05) であった.また, H2PO4-増加率との間にはr=-0.370~-0.740の相関係数が得られた.本研究の結果から, 最大下の等尺性運動時における筋持久力 (持続時間) には, 筋興奮・収縮連関やエネルギー供給系に対して直接あるいは間接的に関与する細胞内pHの低下率が重要な因子であることが示唆された.
著者
藤岡 正子 佐古 隆之 木目 良太郎 村瀬 訓生 長田 卓也 下村 浩祐 白石 聖 勝村 俊仁 佐藤 和人
出版者
イセブ
雑誌
日本運動生理学雑誌 (ISSN:13403036)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.35-42, 2010-07

The purpose of this study was to determine whether 6 weeks handgrip endurance exercise training affects resting muscle metabolic rate in forearm flexor muscles. Eight healthy female subjects (22±0yr) performed dynamic handgrip exercise training until exhaustion at 30% of maximum voluntary contraction, 1Hz (0.5s contraction, 0.5s relaxation). Aerobic exercise for localized muscle training was carried out for 1 set per day, 5 days a week, for 6 weeks. Resting muscle metabolic rate, and time constant for phosphocreatine (PCr) recovery as an index of muscle oxidative capacity were measured using ^<31>P magnetic resonance spectroscopy (^<31>P-MRS) pre- and post-training. Performance time was evaluated during handgrip exercise at 30% MVC. The time constant tended to be shorter post-training (46.6±2.9s) compared with pre-training (50.7±2.8s) (p=0.07). After training, the performance time (84.5±5.8s) was significantly longer than pre-training (52.9±3.5s) (p<0.05). No significant difference of resting metabolic rate was found between pre- and post-training (5.8±0.4, 6.0±0.3μM ATP/s pre- and post-training, respectively). These results suggest that the resting muscle metabolic rate in forearm flexor muscles was unchanged by localized aerobic exercise training, even though muscle endurance capacity improved.
著者
藤岡 正子 佐古 隆之 木目 良太郎 下村 浩祐 長田 卓也 村瀬 訓生 勝村 俊仁
出版者
Japanese College of Angiology
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.223-228, 2012
被引用文献数
1

要 旨:健常成人女性8名を対象に,随意最大筋力の30%強度,運動頻度1 Hzで疲労困憊に至るまで継続する掌握運動を1日1セット,週に5回,6週間のトレーニングを実施した。そのトレーニング前後に,漸増負荷掌握運動時における尺側前腕屈筋群の筋酸素消費量を近赤外連続光分光法を用いて評価した。その結果,最高筋酸素消費量はトレーニング前後で有意差は認められなかったが,最大運動強度はトレーニング後で有意に増加した。