著者
高井 昌吏 谷本 奈穂 石田 あゆう 坂田 謙司 福間 良明 村瀬 敬子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ポピュラー・カルチャーのなかで形成される戦争の表象を、ジェンダーの視点から考察した。たとえば、男らしい戦争イメージの形成では、『男たちの大和』『連合艦隊』などの映画、さらに「大和ミュージアム」や知覧という観光、あるいはプラモデルなどが大きく絡んでいる。女らしさやこどもらしさについては、むしろ『ガラスのうさぎ』『火垂るの墓』などの児童書・アニメの影響が大きい。こうした点を考慮し、それぞれの戦争(沖縄戦、原爆、空襲など)が社会的に受容されるうえで主に寄与したポピュラー・カルチャーに着目し、それらを横断しながら構築される戦争イメージについて分析した。
著者
坂田 謙司
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、音声による街頭の宣伝放送である「街頭放送」の社会史を明らかにすることにあった。特に、現役の施設が多い北海道の街頭放送を中心に調査・研究を行った。研究方法は、新聞記事を使った歴史・社会的な事実確認とヒアリング、関連資料の探索という歴史社会学的手法を用いた。その結果、街頭放送は1945年末に東京有楽町に初めて登場し、全国へと広まっていった。しかし、都市部の街頭放送は他の都市的な音との重なりのなかで騒音源として捉えられ、減少していった。一方、北海道の街頭放送は1947年に札幌中心部に登場し、宣伝メディアとしてだけでなく地域情報メディアとしても機能し、今日に至っていることが分かった。