著者
垣本 直人 林 文彬 杉原 弘章
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.114, no.4, pp.343-351, 1994-04-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
16

A present-day power system is operated with high reliability, and it is rare that a blackout extends all over the system. However, considering its influence upon the society, it is prudent to prepare plans for restoring the system swiftly and securely. This paper deals with automatic power supply to loads after a complete blackout of the system. First, taking characteristics of generators, loads, and initial power sources into account, we propose a method of allocating several generators to each load, paralleling them to the system and supplying power to the load in sequence. Secondly, in order to remove imbalance between supply and demand of power, we propose a method of adjusting the amount of supply and generation according to a present imbalance and the sum of past ones. Thirdly, in order to automatically issue orders for start-up, parallel, follow-up, stand-by, and stop of generators, we set several rules for each power station, and make an expert system based on them. Lastly, we apply the expert system to a model power system, and verify that it can restore loads without any trouble for a complete blackout occured at any time of a day, and in any restoration pattern.
著者
垣本 直人 林 文杉 林 宗明
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.110, no.6, pp.495-503, 1990-06-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
8

In this paper, an expert system was developed for initial stage restoration of EHV power system from system blackout. The operations to be done in case of blackout, are usually determined at every electric station by operation rules, and the power system is restored to the prefault state by carrying out the determined operations at each electric station. In case a regular operation should not work well, several supplementary operations are prepared. This method has some merits that it can restore along normal operation state, that its logic is simple, etc. Because of these merits, a part of the operation rules have been automated by automatic restoration equipments, but in case of system blackout, such human judgements as to secure initial power source are required, and operations by commands from a load-dispatching office become dominant. In this paper, an outline of restoration process was firstly clarified through analysis of the operation rules. Next, the operation rules were transformed into production rules, and were put in order at every electric station. An individual knowledge base was prepared for each group of electric stations in construction of the expert system, and a proper order was introduced in choosing a station to be restored, by which vain search of rules was eliminated. The expert system was applied to a model power system, and it was shown that the computation time for generating all restoration operations is about 0.5s, and that the system can deal with cases where there are some damaged equipments.
著者
垣本 直人
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、リチウムイオン電池を組み込んだ太陽光発電のHEMSを開発した。まず、過去30年間の日射量データを解析することにより太陽光発電の信頼性を検討した。一日の供給量と電池の容量から供給が不足する日数が1年に10日くらいになるよう設定した。解析にはマルコフモデルを用いた。つぎに実験を2年間行い、1年目の不足日数が7日、2年目は2日であることを確かめた。また、電池の劣化特性を測定した。使用した電池では約750回の充放電が可能であった。電池のモデル化を行い、充放電の電荷量によって劣化が進行することを示した。
著者
垣本 直人
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究では、超高圧電力系統の事故時復旧操作を、エキスパートシステムにより自動化する研究を行っている。復旧操作は、初期電源の確保、送電系統の充電、発電機の起動・並列、負荷への電力供給などの各段階から成っている。本年度は、負荷への供給が進むにつれ、送電設備に発生する過負荷について検討を行った。以下に研究結果をまとめる。まず、検討の対象としている超高圧系統について、送電線および変圧器の具体的な送電容量を調ベ、オブジェクト形式で記述した系統データに追加した。そして潮流計算により送電線および変圧器に流れる電力量を算出し、これを該当設備の容量と比較することにより過負荷の有無を検出できるよう機能拡張を行った。つぎに文献調査により、過負荷の解消法について調ベた。解消法には系統切替、発電調整、負荷切替、負荷制限などがあり、これらをメソッドとしてシステムに組み込んだ。また、設備過負荷時に適用する具体的な方法は設備ごとに異なるので、設備ごとにルールを設けて個別に対応するものとした。例えば、ある送電線の過負荷を負荷切替えにより解消するには、下立系統の変電所負荷をどのように切替えるかの知識が必要であり、これは送電線によって異なる。最後に対象系統が全停電となった状態からの復旧操作をシミュレーションにより検討した。その結果、送電線1回線や変圧器1台が使用できないような状況下では、過負荷が発生することは稀であることが判明した。また、仮に過負荷が発生したとしても、本エキスパートシステムに組み込んだ機能により解消することができ、さらに負荷制限にまで追い込まれることは検討の範囲内では起こらなかった。以上により過負荷の解消については所期の目的を果たしたと考えている。今後は、潮流計算だけでなく、安定度計算プログラムなどもシステムに組み込み、平常時操作についても検討を行っていく計画である。
著者
垣本 直人
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

本研究では、超高圧電力系統に停電事故が発生した場合の復旧操作を支援するエキスパ-トシステムの開発を行った。以下に成果をまとめる。1。電力会社の超高圧系統給電操作細則を分析し、電気所が全停電と自断の各々について復旧操作の基本となるル-ルを抽出した。そしてこれらのル-ルに基づいてエキスパ-トシステムの知識ベ-スを構築した。これにより、常時の系統の運用形態に沿った復旧操作が可能となり、その復旧手順は実際の系統復旧操作に近いものとなった。また、細則の自断の場合のル-ルを新たにシステムに組み込んだため、系統全停電だけでなく、さまざまな部分停電にも対応でき、初期電源の種々のパタ-ンや、故障機器がある場合でも対応する事が可能になった。2。細則中の給電指令を整理、分類した。これに優先順位を定めることにより、給電指令の自動選択を可能にした。この自動選択は機能としては非常に限られたものであるに関らず、人間が考えるのとはほぼ同様な選択を行うことができる。機能が単事であるため、系統設備の変更などに伴う給電指令の追加、削除などの変更が容易である。事故状態によって優先順位が変化するような優先順位をはっきりと定めることができないタイプの給電指令については、復旧方針決定モ-ドにおいて操作員が復旧過程の各時点で優先順位を決定することができる。また、操作員の給電指令選択の支援を行うだけでなく、給電指令の変更、復旧方針の選択など、操作員の思考も柔軟に取り入れることができる。3。細則の復旧操作だけでは復旧できない停電範囲を、細則の復旧の流れにできるだけ沿うような給電指令による復旧操作を追加することで復旧可能にした。この方法での成功は、本システムの今後の更なる機能拡張へ向けての有用な指針を与えるものと考える。今後の課題として、潮流状態のチェック、過電圧の抑制等の機能追加を行う予定である。