著者
土屋 奈々絵 宮城 一也 藤田 次郎 熱海 恵理子 青山 肇 安富 由衣子 草田 武朗 村山 貞之
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.979-984, 2021

<p><b>背景.</b>腸型肺腺癌は稀な腺癌の亜型であり,臨床的には大腸癌肺転移との鑑別が問題となる.<b>症例.</b>60歳代男性.前立腺癌の経過観察中に胸部異常影を指摘,肺癌を疑われて紹介された.胸部CTでは左上葉支を閉塞し多発小石灰化巣を有する腫瘤を認め,末梢側は閉塞性無気肺を呈した.FDG-PETでは肺病変にSUV<sub>max</sub> 12.7の集積があり,左鎖骨上窩・縦隔リンパ節への集積亢進を認めた.経気管支肺生検を行い,病理組織で高円柱状上皮からなる異型腺管が,単純腺管や癒合腺管の形態で増殖する像を認めた.免疫染色ではCK7(-),CK20(一部+),TTF-1(-),CDX2(+),Napsin A(-)で,形態と合わせて腸型肺腺癌と大腸癌肺転移との鑑別が必要となった.下部消化管内視鏡検査にて大腸に病変を認めず,cT2bN3M0,cStage IIIBの腸型肺腺癌として化学放射線療法を行い,病変は縮小した.<b>結論.</b>石灰化を伴った腸型肺腺癌の1例を経験した.腸型肺腺癌のCT所見は浸潤性肺腺癌や大腸癌肺転移の画像所見と共通しており,画像のみでこれらを鑑別することは困難である.</p>
著者
當銘 玲央 宮城 一也 喜友名 朋 Gretchen Parrott 金城 武士 原永 修作 健山 正男 藤田 次郎
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.411-416, 2019

<p><b>背景.</b>シングルユース(単回使用)の気管支鏡はその特性から集中治療室や救急部での使用経験が報告されているが,呼吸器内科での使用経験の報告は少ない.当院でシングルユースビデオ気管支鏡を使用した症例について報告する.<b>症例.</b>2016年4月から2017年3月の間に,11例延べ14件に対しシングルユースビデオ気管支鏡が使用された.代表的な2例を示す.症例7は77歳男性.右膿胸の治療中に喀血にて挿管となった.シングルユースビデオ気管支鏡を用いて血餅除去を行ったが気管粘膜と血塊の判別が難しく,通常の気管支鏡へ変更とした.症例9は63歳男性.両側誤嚥性肺炎,左膿胸の診断で入院となった.左右主気管支内に多量の喀痰が貯留するため数日おきに吸痰を行ったが,時間外はシングルユースビデオ気管支鏡を使用した.上記2例を含め,14件中7件は緊急または時間外使用であった.<b>結論.</b>シングルユースビデオ気管支鏡は通常の気管支鏡に取って代わるものではないが,軽量で設定も簡便なため特に緊急時に有用であった.また,気管支鏡の損傷を気にせず手技を行うことができ,交差感染が起きないことも利点である.</p>
著者
鍋谷 大二郎 宮城 一也 上 若生 橋岡 寛恵 金城 武士 古堅 誠 原永 修作 藤田 次郎
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.246-250, 2017

<p><b>背景.</b>気管支結石症は,本邦では結核感染による石灰化リンパ節が原因として多かったが,近年は気道分泌物由来の結石症が増加している.今回,繰り返し気管支鏡的除去術を要した分泌物由来の気管支結石症を経験した.<b>症例.</b>51歳女性.結核感染症の既往や石灰化リンパ節はない.高度の側弯症があり,若年時より下気道感染を繰り返していた.38歳時には胸部CTで気管支拡張と気管支内腔の結石を指摘されていた.43歳時に呼吸不全の改善を目的に気管支鏡下に最初の除石術を行った.その後も同様の理由で度々除石術を要し,8年間で計7回の除石術を行った.除石術に関連する合併症は認めなかった.結石の主成分は炭酸カルシウムであった.気道の加湿の改善と排痰方法の変更の後は,2年以上再発を認めていない.<b>結論.</b>側弯症と気管支拡張による持続的な気道クリアランス不良により,分泌物由来の気管支結石を繰り返したと考えられる.気管支内腔に遊離する結石であったため,気管支鏡による除石術は安全で実用的であった.</p>
著者
松本 正智 〓物 久夫 城 一也
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.307-311, 1991
被引用文献数
2

Torsion of the vermiform appendix in a 2 1/3-year-old boy, who appears to be the youngest patient with this disease in the world literature, is reported. He had no previous history of abdominal pain. He began to complain of abdominal pain about 30 minites after standing on his hands for the first time in his life. Two days later, he was admitted to our hospital because of severe intermittent abdominal pain. Tenderness of his right lower abdomen associated with a WBC count of 23100/cmm and an enlarged appendix as seen in the ultrasonogram led us to perform a laparotomy under the diagnosis of acute appendicitis. The vermiform appendix showed clockwise torsion of 360°at its root and a gangrenous appearance. There was no adhension of the appendix to the surrounding tissue, and so release of the torsion and an appendectomy were easily performed. No fecalith or inflammation of the appendix was observed. The postoperative course of the patient was uneventful. Although anatomical or pathological causes of torsion of the appendix are still unknown, STANDING ON HIS HANDS was suggested as an important etiological factor in this case.