- 著者
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城 由紀子
- 出版者
- 文化学園大学
- 雑誌
- 文化女子大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, pp.37-49, 2007-01
1993年のカナダ下院総選挙において大敗を喫した進歩保守党と保守第1 党の地位に着いた改革党,後のカナダ同盟が,保守勢力の分裂,混迷を乗り越え「右派連合」の新しい保守党として再生後,2006年総選挙において13年ぶりの保守政権誕生を果した。この新保守政権誕生の要因は,自由党長期政権がケベック州での連邦政府広報費不正流用問題で信頼を失ったなかで,1987年の改革党結成以降分裂状態であった保守2 政党が前回2004年の総選挙前に一体化を成し遂げ新生保守党として地歩を固めたことにある。加えて,前回選挙では保守色故に敬遠された保守党党首ハーパー(Stephen Harper)が,イメージ変革に成功し国民から首相として一応の信任を得たためである。本稿はハーパーの保守党党首への道程を辿り,2006年総選挙を2004年総選挙と比較し,前回総選挙での失敗を乗り越えたハーパー保守党政権誕生を分析する。