著者
内田 智洋 横塚 達男 堂山 昌男
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.773-776, 1995-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
20

マイクロマシンと呼ばれる極微小な機械が現実視されるようになり,ミクロなレベルでの切削,摩擦・摩耗・潤滑などの現象が,注目を受けている.本稿では,これらの現象を原子の視点から扱う有効な手法として分子動力学を示し,現状と展望を述べる.
著者
堂山 昌男
出版者
日本真空協会
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.821-826, 2002-12-20 (Released:2009-10-20)
参考文献数
27
著者
堂山 昌男 松井 正〓
出版者
西東京科学大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

本研究においては、分子動力学の方法を用いて、金属の結晶成長をシミュレートすることを目的として行なった。まず、純物質のN体多体原子間ポテンシャルを開発した。これらのポテンシャルを用いて、気相からの結晶成長を分子動力学を用いて計算し、その成長機構を調べた。金属那珂の相互ポテンシャルは2体ポテンシャルによっては扱えない。本研究では、いわゆるembedded atom法を用いた。面心立方格子をもつ金、銀、銅、六方晶のチタニウムについて計算した結果、面心立方で(111)最密面、六方晶で(0001)最密底面では吸着原子が非常に動きやすいことがわかった。また、吸着原子クラスターを作ると、とたんに動きにくくなることがわかった。表面との吸着エネルギーも計算した。これにより、2体ポテンシャルと多体ポテンシャルの相違が明らかになった。当然のことながらボンドの足し算では表わせない。松井らは銅の分子動力学を用いて、銅の(100)面気相成長を動画に表わした。以上の結果を用いてモンテカルロ計算により、銅の(111)面結晶成長、シリコンの(100)面気相成長のシミュレーションを行なった。これにより、成長速度と結晶成長の関係を明らかにした。結晶速度が速いときには面がアイランドを作りながら成長し、結晶速度が遅いときには1面1面完全に近い結晶が成長することがわかった。これらの結果は平成5年8月末から9月初旬研究代表者が組織したInternational Union of Materials Research Societiesのsymposium D Computer Application to Materials Scienceおよび、平成5年11月末米国ボストンで開催されたMaterials Research Societyにおいて十数編の論文として発表された。