著者
増位 和也 塚野 雄吉 Masui Kazuya Tsukano Yukichi
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.1324, pp.1冊, 1997-04

方程式誤差法に分類される最小二乗法およびTLS法(全最小二乗法)を用いて、クインエア機の縦空力微係数を幾つかの操縦入力に対する飛行試験時歴より直接推定し、周波数応答法による推定結果と比較した。その結果、最小二乗法およびTLS法は、周波数応答法と比較して非常に少ない飛行試験時間で空力微係数を推定することが可能で、特別の入力装置も必要としないことが示された。推定した空力微係数によるシミュレーション計算では、周波数応答法による空力微係数と同程度もしくはそれ以上の精度で飛行運動を再現することができた。また、最小二乗法およびTLS法では、説明変数のそれぞれが十分変化し、かつ、互いに独立となるよう適当な入力波形を組合せ、データ処理において計測誤差をできる限り取り除くことが重要であることが分かった。