著者
上段固体モータ信頼性研究グループ 上段固体モータ信頼性研究グループ Upper Stage Solid Motor Reliability Research Group Upper Stage Solid Motor Reliability Research Group
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.1298, pp.1-62, 1996-06

国産・自主技術で進めたH-1ロケット用第3段モータおよびアポジ・モータの開発において重要な要素である信頼性の確立を図るため、航空宇宙技術研究所(NAL)と宇宙開発事業団(NASDA)が研究グループ「上段固体モータ信頼性研究グループ」を結成し、共同研究「上段固体ロケットモータの信頼性評価基準に関する実験的研究」を1980年度から1984年度まで行った。そしてその主体である推進薬の欠陥許容判定基準の研究および推進薬の欠陥検出法の研究についての成果をその後の研究成果も含めて3部作の報告書にまとめた。なお、本共同研究はNAL特別研究「上段モータの信頼性評価基準に関する研究」と緊密な関係のもとで行われた。本報告書では、国産開発のH-1アポジ・モータの1/4縮尺モータなどの小型モータに、推進薬気泡、インシュレーション・推進薬間剥離、推進薬ノッチなどの人工欠陥を付し、欠陥の燃焼への影響を調べた結果について述べる。
著者
只野 真 佐藤 政裕 日下 和夫 佐藤 正喜 熊川 彰長 長谷川 恵一 高橋 秀明 今野 彰 青木 宏 名村 栄次郎 Tadano Makoto Sato Masahiro Kusaka Kazuo Sato Masaki Kumakawa Akinaga Hasegawa Keiichi Takahashi Hideaki Konno Akira Aoki Hiroshi Namura Eijiro
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:13474588)
巻号頁・発行日
vol.1464, 2003-06

近い将来の再使用型ロケットエンジンの性能向上の一案として、伸展ノズルやデュアルベルノズルが有望であると考えられている。そこで、これらのノズルの基本特性を把握するために、4種のノズル(標準ベルノズル、伸展途中の過渡状態を模擬したステップノズル、デュアルベルノズルおよび可動伸展ノズル)を用いて、高空燃焼試験を実施した。試験で計測したノズル性能、圧力分布および熱伝達率などのデータをCFD解析の結果と比較検討した。その結果、デュアルベルノズルの性能は標準ノズルやステップノズルよりも低く、現状のノズルコンターはさらに改善の余地があることが判明した。また、可動伸展ノズルの伸展時には、固定ノズルと伸展ノズル隙間からの燃焼ガスバックフローは認められず、ノズル壁面の熱伝達率は過渡的に約20%増加することが判明した。これらの現象はCFD解析結果とも一致し、CFD解析によってノズルのステップ流れやバックフローが予測できる目処を得た。
著者
STOLプロジェクト推進本部機体技術開発室 Aircraft D. S. STOL Aircraft Proj. G.
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.1223, pp.1冊, 1994-01

この報告書は航空宇宙技術研究所が開発設計したSTOL実験機「飛鳥」の研究開発計画の全容について概説する。飛鳥は1985年10月28日に初飛行を行った。1977-1985の8年間におよぶ開発経過報告には航空機機体、システムと多数の開発試験が含まれる。飛鳥は航空自衛隊の中型貨物輸送機シリーズであるC-1機の改良機で川崎重工が開発試作した。機体は新しく設計され、C-1機の双発エンジンはSTOL運用のパワードリフトを確保できる上面吹き出し(USB)方式を採用するため、4発のFJR710/600Sファンジェットエンジンに取り替えられた。
著者
高木 亮治 Takaki Ryoji
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.1407, pp.1冊, 2000-06

極超音速非平衡流の特徴である高温気体効果を考慮した数値解析を行った。高温気体効果として化学非平衡および熱的非平衡を考慮した。化学反応モデルとして7化学種、18反応モデルを用いた。また熱的非平衡モデルとしてParkの2温度モデルを用いた。慣性項の計算にはAUSMDVスキームを使用している。時間積分には計算効率の良いLU-SGS(Lower-Upper Symmetric Gauss-Seidel)法と局所時間刻法を用いている。またソース項にはpoint impact法を用いている。開発した解析コードを用いて半球周りの軸対称流の解析を行った。実験データと比較することで開発したコードの検証を行った。また格子依存性についても調べた。衝撃波後方の流れが強い非平衡性を持った流れであることを示している。
著者
齊藤 喜夫 遠藤 征紀 松田 幸雄 杉山 七契 菅原 昇 山本 一臣 Saito Yoshio Endo Masanori Matsuda Yukio Sugiyama Nanahisa Sugahara Noboru Yamamoto Kazuomi
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.1289, pp.1冊, 1996-04

次世代の高亜音速輸送機用エンジンである超高バイパス比ターボファン・エンジンの研究「超高バイパス比可変形状エンジンの研究」を進めている過程で、新しい概念のエンジンであるコア分離型ターボファン・エンジンを考案した。このエンジンの特徴は、従来のターボファン・エンジンでは一体となっていたファンとコア・エンジンを分離して並列に配置したことである。概念検討の結果、コア分離型ターボファン・エンジンは従来型ターボファン・エンジンに比べて、安定性や構成の柔軟性などに優れており、また、VTOL輸送機用エンジンなどの新しい用途にも適していることを確認した。
著者
増位 和也 塚野 雄吉 Masui Kazuya Tsukano Yukichi
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.1324, pp.1冊, 1997-04

方程式誤差法に分類される最小二乗法およびTLS法(全最小二乗法)を用いて、クインエア機の縦空力微係数を幾つかの操縦入力に対する飛行試験時歴より直接推定し、周波数応答法による推定結果と比較した。その結果、最小二乗法およびTLS法は、周波数応答法と比較して非常に少ない飛行試験時間で空力微係数を推定することが可能で、特別の入力装置も必要としないことが示された。推定した空力微係数によるシミュレーション計算では、周波数応答法による空力微係数と同程度もしくはそれ以上の精度で飛行運動を再現することができた。また、最小二乗法およびTLS法では、説明変数のそれぞれが十分変化し、かつ、互いに独立となるよう適当な入力波形を組合せ、データ処理において計測誤差をできる限り取り除くことが重要であることが分かった。
著者
中村 勝 照井 祐之 Nakamura Masaru Terui Yushi
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.1341, pp.1-14, 1997-12

「飛鳥」は航空宇宙技術研究所で研究開発されたSTOL(短滑走路離着陸)技術を実証するための実験機である。飛行試験は岐阜飛行場で1986年4月1日から1989年3月31日の間行われた。この報告書は飛行試験期間を通じて行ったSTOL着陸形態時の飛行、特にSTOL進入着陸時の操縦評価について報告するものである。
著者
飯島 朋子 野田 文夫 須藤 桂司 村岡 浩治 船引 浩平 Iijima Tomoko Noda Fumio Sudo Keiji Muraoka Koji Funabiki Kohei
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:13474588)
巻号頁・発行日
vol.1465, 2003-07

近年、航空機事故防止の有効な手段としてCRM(Crew Resource Management)訓練が重要視されている。航空宇宙技術研究所(以下、航技研)では、運航乗務員におけるCRMスキルの向上を訓練で実現するための有効な手段として、訓練や実運航で具体的にCRMスキルを実践するためのCRMスキル行動指標を開発した。開発のために、日本の大手エアライン(日本航空株式会社(JAL)、全日本空輸株式会社(ANA)、株式会社日本エアシステム(JAS))のCRM訓練担当者や運航乗務員などの協力のもと、CRMスキル行動指標に関する検討会を実施した。開発の過程でCRMスキル全体の考え方、スキルの分類およびスキル要素の作成のための乗員の問題解決プロセスモデルおよびスキル要素の強調度を示すマトリックスを作成した。この問題解決プロセスモデルやマトリックスにおける分析を基に、航技研で行動指標案を提示し、検討会で行動指標案に対する討議および事例・行動例を収集した。本報告書はCRMスキル行動指標の作成方法およびその結果をまとめたものである。