- 著者
-
増子 正
- 出版者
- 仙台大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2003
平成12年に施行された社会福祉法で、平成15年以降、市町村における地域福祉は、地域福祉計画に基づいて推進されることになった。策定する地域福祉計画を具現化したり、策定された地域福祉計画の達成度を評価するための進行管理と計画の達成度を評価、モニタリングすることが重要になる。全国社会福祉協議会は、行政機関の政策評価で採用しているベンチマーク方式の積極的な活用を推奨しているものの、ベンチマーク方式に関しては、わが国でもアメリカ・オレゴンベンチマーク方式を活した行政機関の政策評価に関する研究が近年行われているものの、福祉領域での研究はほとんど行われていないのが現状である。政策評価で多く用いられる4つの象限を用いたベンチマーク方式の評価では、各象限にプロットされた事業の、取り組みの詳細な優先順位付けに限界があることから、本研究では医療分野で有用性が確立されている分布関数分析の手法を用いて詳細な事業の優先順位付けを試みた。また、策定された計画の達成状況を評価するために、地域福祉事業については、その性質上、スケールメリット効果を定量的に測定することが困難なものも多く存在するが、本研究では定量的に評価が可能であると考えられる事業の目標値の設定と評価指標の検討を行って、実際のフール度でその妥当性を検証た結果、本研究の手法が宮城県柴田町社会福祉協議会の地域福祉活動計画策定段階に採用され実用化に寄与することができた。