著者
二瓶 さやか 増子 正
雑誌
十文字学園女子大学紀要 = Bulletin of Jumonji University (ISSN:24240591)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.167-176, 2018-03-24

超高齢社会を迎えるわが国において、介護保険制度が「地域包括ケアシステム」の実現を目指すことを目的とした法改正がなされる等、2025年の地域創成に向けて地域包括ケアシステムの推進・構築が、重要な課題となっている。本研究では、地域包括ケアシステムについて、関連する法律や地域包括ケア研究会の報告書から定義の変遷をまとめ概念整理を行い、地域包括ケアシステム推進にむけた課題を考察した。また、地域包括ケアシステムの構築の為には、現在多くの地域で取り組まれている地域福祉活動の更なる推進と活動を支える多様な担い手の確保が重要であり、共同募金は、地域福祉活動を支える重要な役割を担う一つとして示唆されていることから、共同募金の概要と実際の助成配分や使途について概観した。結果、共同募金を資源とした地域福祉活動の推進は、単に地域における課題を解決するだけでなく、地域住民に地域が抱える福祉課題の意識化や顕在化へと発展することが期待され、地域包括ケアシステム推進と共に、共同募金のあり方も転換が図られる必要があると考えられた。さらに、共同募金は、助成者が恩恵を受けるに留まらず、地域社会に対する住民の連帯や、相互扶助の意識を「主体化」させる役割も担うことも示唆された。

1 0 0 0 OA 有島武郎研究

著者
増子 正一
出版者
東洋大学
巻号頁・発行日
1996-10-14

1996
著者
増子 正 李 在檍 高橋 信二 大澤 史伸
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

韓国における共同募金特徴を、①韓国共同募金会の組織、②募金プログラムの開発と事業支援、③説明責任 の3つの視点から整理して、韓国における共同募金のマネジメントの体系化を試みた。単に募金を集めて配分するだけでなく,配分を受ける組織が事業を遂行するための相談支援体制を持っていること。募金事業のマネジメントに関しては,募金戦略の作成から評価にいたるまでのPDCAサイクルが確立していることがわかった。
著者
増子 正
出版者
仙台大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

平成12年に施行された社会福祉法で、平成15年以降、市町村における地域福祉は、地域福祉計画に基づいて推進されることになった。策定する地域福祉計画を具現化したり、策定された地域福祉計画の達成度を評価するための進行管理と計画の達成度を評価、モニタリングすることが重要になる。全国社会福祉協議会は、行政機関の政策評価で採用しているベンチマーク方式の積極的な活用を推奨しているものの、ベンチマーク方式に関しては、わが国でもアメリカ・オレゴンベンチマーク方式を活した行政機関の政策評価に関する研究が近年行われているものの、福祉領域での研究はほとんど行われていないのが現状である。政策評価で多く用いられる4つの象限を用いたベンチマーク方式の評価では、各象限にプロットされた事業の、取り組みの詳細な優先順位付けに限界があることから、本研究では医療分野で有用性が確立されている分布関数分析の手法を用いて詳細な事業の優先順位付けを試みた。また、策定された計画の達成状況を評価するために、地域福祉事業については、その性質上、スケールメリット効果を定量的に測定することが困難なものも多く存在するが、本研究では定量的に評価が可能であると考えられる事業の目標値の設定と評価指標の検討を行って、実際のフール度でその妥当性を検証た結果、本研究の手法が宮城県柴田町社会福祉協議会の地域福祉活動計画策定段階に採用され実用化に寄与することができた。