著者
増田 雄亮 八重田 淳 會田 玉美
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.68-79, 2023-02-15 (Released:2023-02-15)
参考文献数
42

【目的】本研究の目的は,日本の作業療法士を対象とした新しいEBP自己評価尺度(EBPSA)を開発することである.【方法】全国の回復期リハビリテーション病棟に勤務する作業療法士1,216名を対象として,質問紙による郵送調査を実施した.【結果】531名(回収率43.7%)から回答が得られ,このうち515名のデータを有効回答とした.因子分析の結果,4因子14項目が抽出され,モデル適合度は,CFI=.972,TLI=.965,RMSEA=.048であった.内的整合性の検討では,下位尺度および尺度全体のα係数はいずれも.80以上を示した.【結論】本研究において,良好な尺度特性を有するEBPSAが完成した.
著者
相羽 大輔 奈良 里紗 増田 雄亮 鈴木 祥隆
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.47-58, 2019

<p>本研究は、弱視学生が見えにくさを補う手段(弱視レンズ条件・接近視条件・タブレット条件)を使いながら学習・生活する様子を画像で提示した場合に、それらが健常学生の態度に及ぼす効果の違いを検討した。382名の健常学生に対し、弱視学生の画像付き説明文に基づく3条件を無作為にひとつ提示し、障害者イメージ尺度(不便さ尺度・尊敬尺度)、弱視学生支援サービス尺度(授業支援尺度・成績評価尺度・組織支援尺度)への回答を求めた。その結果、タブレット条件と接近視条件のときの方が不便なイメージになったものの、弱視学生支援に関するすべての下位尺度でタブレット条件のときの方が他の条件よりも消極的な評価になった。また、健常学生は女子の方が男子よりも肯定的なイメージを持ち、弱視学生支援に対する態度もすべての下位尺度で肯定的であった。これらの結果が弱視学生の障害開示や援助要請を補助する手立ての手がかりになるものと示唆された。</p>