著者
壁谷 彰慶
出版者
学校法人 植草学園短期大学
雑誌
植草学園短期大学紀要 (ISSN:18847811)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.77-82, 2019 (Released:2019-03-28)

フランツ・カフカの短編「断食芸人」の終幕で、断食を続ける芸人が、見世物小屋の監督に対し、自らの 生き方は世間からの「感心」に値しないことを吐露するやりとりがある。彼が死に際に残したこの言葉は、 読み手にいくつかの解釈の余地を残しており、その多義性は、「よい/悪い」や「幸福/不幸」などの価値 に関わる倫理的概念について、哲学的な示唆を与えるように思われる。以下では、「断食芸人」の終幕から 読み取れる「感心」の多義性を整理し、この作品が価値や「幸福」に関して示唆することを確認する。
著者
壁谷 彰慶
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.244, pp.21-26, 2008-10-10

Googleが提供した高機能な検索エンジンは、インターネットの利用法を根本から変えるほど多大なインパクトを世間に与えている。しかし、この企業の情報の扱い方に対して、たびたび良識を欠いているとの非難がされることがある。Googleが非常に優れた技術集団であることは疑い得ないが、倫理的な問題についての配慮が欠如しているのも事実である。そこで、じっさいにGoogleが行った「検閲」の事例を参考に、「検索エンジンにおける検閲」のあり方について、「検索」と「検閲」の関係とともに考察する。結語として、この企業が作業ポリシーを確立し、それを明示することの必要性を述べる。
著者
壁谷 彰慶
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 = Report on Research Project (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.203, pp.21-32, 2011-02

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第203集『哲学的自然主義の諸相の展開』田島正樹 編
著者
壁谷 彰慶 カベヤ アキヨシ Kabeya Akiyoshi
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.13, pp.188-198, 2006-09

Fischer & Ravizza は、著書Responsibility and Controlにおいて、「フランクファート・ケース」と呼ばれる一連の設定を具体的に吟味しながら、行為の責任についての包括的な理論構築を目指している。本書の基本方針は、「別様にすることができた」という様相概念に訴える「統制コントロール」ではなく、現実に行為者が当の出来事に対して適切な因果関係をもちえたかどうかという、「誘導コントロール」に注目するというものである。それは、当の行為を導いた人物の内的構造と、人物から当の出来事に至る外的経路がもつ特徴づけによって説明される。このアプローチの一つの利点は、別様になすことができたがゆえに帰責がなされる場合だけでなく、別様になすことができなかったにもかかわらず帰責がなされる場合をも、一貫した説明図式で対応できる点にある。本稿では、本書の基本主張と帰結責任についての議論を確認し、最後に問題点を指摘する。