著者
辰口 直子 大 雅世
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.345-351, 2019-10-05 (Released:2019-10-11)
参考文献数
12

一定条件下で鶏卵のゆで加熱を行い,卵の中心温度と保持時間が凝固状態に与える影響を明らかにして,好みの凝固状態の温泉卵を作るための指標を提示する事を目的とした。 水温65℃,68℃,70℃一定で加熱した場合,卵中心温度は,65℃で30 分,68℃で28 分,70℃で27 分で水温近くに達した。その時,いずれの温度でも卵白の流動性があるが,到達温度によって異なり,卵黄の高さもそれぞれ異なった。温泉卵の形状は65℃では,卵白の流動性があり,210 分経過した後も広がり方は減るものの流動性が認められた。68℃では保持時間が長くなると流動性は減少し,70℃では30 分経過すると流動性がみられなくなった。卵黄は65℃,68℃では保持時間が長くなると高さが増す傾向にあったが,70℃では大きな差はみられなかった。中心温度と保持時間での卵白と卵黄の凝固状態が明らかになったので,これらの結果を利用して好みの成績を得る為の指標を作成した。
著者
辰口 直子 大 雅世
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

<目的>温泉卵を作る際の加熱温度は、一般に65~70℃といわれている。本研究では加熱到達温度と時間経過が凝固状態に与える影響を明らかにし、好みの温泉卵を作る加熱条件を明らかにすることを目的とした。到達温度65℃、68℃、70℃における凝固状態を確認し、その温度をそのまま保った場合の経時変化を測定した。<br /><br /><方法>恒温槽を用い、水温65℃、68℃、70℃に設定し、卵をいれて中心が設定温度になるまで加熱し、その後所定の時間保持した。卵は市販の物を購入して用いた。水温、卵中心温度は熱電対で測定した。加熱後の卵を割卵し、形状(長径、短径等の大きさ)と、TEXTURE PROFILE UNIT卓上型物性測定器(YAMADEN TPU-2S)を用いテクスチャー(破断強度、凝集性、付着性)を測定した。<br /><br /><結果>所定の温度に達した時点の凝固状態を確認した。この温度に一定時間保持した場合の変化は、卵白の凝固は65℃では変化はないが、68℃、70℃では時間経過によって、卵白では水溶状態の減少傾向がみられた。卵黄は65℃、68℃では保持時間が長くなると形状が変化し、高さが増す傾向にあったが、70℃では大きな差はみられなかった。到達温度と各温度での保持時間での、卵白と卵黄の凝固状態が明らかになったので、これらの結果を利用して好みの成績を得るための操作の指標のためのデータが得られた。