著者
竹内 大智 小沢 壱生 矢野 亮太 三津谷 有貴 土橋 克広 上坂 充 田中 泰司 高橋 佑弥 草野 譲一 吉田 英二 大島 義信 石田 雅博
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.66-79, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

社会インフラの老朽化に対し,メンテナンス技術の高度化によって劣化損傷を正確に把握することが求められている.筆者らは橋梁検査技術の合理化にむけ,可搬型ライナックX線源を用いたX線検査システムを開発しており,透過X線検査によってコンクリート橋内部のPC鋼材の状態,およびグラウトの充填状況を検査する技術開発を進めている.これまでの実橋梁検査の結果から,検査対象となるコンクリート構造物のコンクリート厚さとX線の透過量を定量化することが検査精度を担保する上での課題となった.そのため,本研究では厚さの異なるコンクリート構造物に対するX線の応答を精査し,検査精度向上のための基礎的検討を行った.また,各可搬型X線源の適用可能なコンクリート厚さを特定し,可搬型X線源のX線検査技術としての性能を評価した.
著者
大島 義信
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

最終年度では,階段形状の反射ターゲットを用いた変位計測法に関して,前年度明らかとなった問題点を改善するため新たに補正法を考案し,実橋において実証を行った.提案するレーザー変位計の変換原理は,レーザー入射角とターゲットが垂直になっていることが基本であった.そのため,測定現場などで入射角が垂直とならない場合,換算値と実質の変位が異なる可能性があった.そこで本研究では,ターゲットを二つ組み合わせて,入射角に拘わらず変換値が真値に最も近づく理論を考案し,実橋において実証を行った.その結果,1.二つのレーザー変位計を用い,ターゲットの一つを斬増する方向,もう一つを斬減する方向に組合せ,同時に測定を行う.この場合,対象のある変位方向に対し,一つ目のレーザーからは斬増する値が得られ,もう一つからは斬減する値が得られる.理想状態の場合,これらのデータを足し合わせればゼロとなるが,入射角の相違のため誤差が生じてゼロとはならない.この誤差には角度の情報が含まれるため,この値を用いて補正を行えば,角度を陽に意識することなく変位が得られる.2.レーザーの入射角が-5度から+5度までの範囲内であれば,ターゲットを二つ組み合わせることで,正しい変換値を算定できる.3.実橋において,たわみ量を提案技術で測定した結果,接触式変位計と同等め変位値が得られた.よって,新たな測定原理を適用すれば,提案技術の課題であった角度補正につ恥て特に意識することなく,橋梁の変位を計測できることが明らかとなった.