著者
望月 祐志 中野 達也 佐藤 伸哉 坂倉 耕太 渡邊 啓正 奥脇 弘次 大島 聡史 片桐 孝洋
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.132-136, 2021 (Released:2022-03-17)
参考文献数
32
被引用文献数
2

We have been developing the ABINIT-MP program for fragment molecular orbital (FMO) calculations over 20 years. In 2021, the Open Version 2 series has started for large scale systems consisting of more than ten thousand fragments. This letter describes the current status of ABINIT-MP, including the speed-up as well as the situation of distributions over supercomputing facilities in Japan.
著者
大島聡史 金子勇 片桐孝洋
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013-HPC-140, no.33, pp.1-8, 2013-07-24

本稿では最新のメニーコアプロセッサ Xeon Phi(以下,Phi) の疎行列ベクトル積演算性能について述べる.Phi は高い演算性能およびメモリ転送性能を備えたハードウェアであり,様々なアプリケーションへの適用について盛んに研究が行われている.また Phi はその性能を従来の CPU 同様のプログラミング手法によって活用できることが重要な特徴・利点としてあげられているものの,実際にはアーキテクチャの特性にあわせた最適化の余地が多く存在することが知られている.一方で Phi はアーキテクチャとしても製品としても新しいものであるため,性能を十分に引き出すための知識や技術のさらなる共有が必要である.本稿では疎行列ベクトル積を対象としてPhiの性能を測定し,他の並列計算ハードウェアと性能を比較して性能評価を行う.なお本稿では Phi として先行提供版の Preproduction Xeon Phi を用いている.
著者
望月 祐志 中野 達也 坂倉 耕太 渡邊 啓正 佐藤 伸哉 奥脇 弘次 秋澤 和輝 土居 英男 大島 聡史 片桐 孝洋
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.106-110, 2022 (Released:2023-04-29)
参考文献数
33
被引用文献数
1

We have been developing the ABINIT-MP program for fragment molecular orbital (FMO) calculations over 20 years. Several improvements for accelerated processing were made after the release of Open Version 2 Revision 4 at September 2021. Functionalities were enhanced as well. In this short report, we summarize such developments toward the next release of Revision 8.
著者
大島 聡史 永井 亨 片桐 孝洋
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2021-HPC-179, no.9, pp.1-9, 2021-05-07

CPU の性能は計算機システムの性能を左右する重要な要素である.スーパーコンピュータやデータセンタ,クラウド計算サーバ向けの CPU としては Intel 社の Xeon が多くのシェアを占めてきたが,近年では AMD 社の EPYC や,スーパーコンピュータ「富岳」や「不老」に搭載された富士通社の A64FX など新たな CPU への注目も高まっている.本稿では,ARM アーキテクチャに基づく最新の CPU である Ampere Altra の性能について報告する.A64FX をはじめとするいくつかの CPU とベンチマーク性能を比較し,性能や特徴を評価する.
著者
塙 敏博 中島 研吾 大島 聡史 伊田 明弘 星野 哲也 田浦 健次朗
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2016-HPC-156, no.10, pp.1-10, 2016-09-08

東京大学情報基盤センターでは,データ解析・シミュレーション融合スーパーコンピュータシステム Reedbush を導入し,2017 年 3 月より全系稼働開始予定である.Reedbush システムは,Intel Xeon E5 (Broadwell-EP) プロセッサに加えて NVIDIA Tesla P100 (Pascal) GPU を一部計算ノードに搭載する他,高速ファイルキャッシュシステムや,InfiniBand EDR などを始めとして導入時点で最新の技術を集めたシステムである.本稿では 2016 年 7 月から稼働を開始した汎用 CPU のみからなる Reedbush-U サブシステムの性能について報告する.
著者
塙 敏博 伊田 明弘 大島 聡史 河合 直聡
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2016-HPC-155, no.40, pp.1-9, 2016-08-01

近年,FPGA (Field Programmable Gate Array) に対して新たな高性能計算向けのハードウェアとして注目が集まっている.FPGA は対象とする処理に合わせた最適な回路構成を用いることで高い性能や高い電力あたり性能を得られる可能性がある.さらに OpenCL を用いてプログラムコードの形で記述するだけで,FPGA 上のハードウェアとして容易に実現が可能な環境が整ってきた.本研究では,階層型行列における行列ベクトル積演算を対象に,FPGA 上に実装を行う.階層型行列は,小さな密行列と低ランク近似行列から構成される.階層型行列ベクトル積を行うには,これら構成行列に依存して入り組んだ処理が必要となる.このような問題に対して OpenCL を用いて FPGA 向けの実装を行い,コードの最適化方法と性能について比較する.
著者
中島 研吾 大島 聡史 塙 敏博 星野 哲也 伊田 明弘
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2016-HPC-157, no.16, pp.1-8, 2016-12-14

SELL-C-σ 法は疎行列演算の性能を高める行列格納手法として注目されているが,これまでは専ら疎行列ベクトル積に適用されてきた.科学技術計算において広く使用されている ICCG 法は前進後退代入,不完全コレスキー分解等のデータ依存性を有するプロセスを含むため,多色順序付け等によって並列性を抽出する必要がある.本研究は世界でも初めて,ICCG 法に SELL-C-σ 法を適用した事例である.Intel Xeon Phi (Knights Corner,Knights Landing) 上での性能評価を実施し,特に Knights Landing 上では従来手法と比較して高い性能改善を達成することができた.
著者
伊藤 祥司 片桐 孝洋 櫻井 隆雄 猪貝 光祥 大島 聡史 黒田 久泰 直野 健
雑誌
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.117-126, 2012-01-17

前処理付き BiCGStab(PBiCGStab) 法の改善アルゴリズムを提案する.前処理付き BiCG 法に CGS 法の導出手順を適用すると,CGS 法の合理的な前処理付きアルゴリズムが構成される.この手法を PBiCGStab 法へと拡張するに当たり,BiCGStab 法に現れる MR 演算に対し論理面からの新たな考察を行い,適用できることを示した.本提案アルゴリズムが従来の PBiCGStab よりも合理的であることと,数値実験により本提案の有効性を示す.