著者
中田 尚 吉見 真聡 片桐 孝洋 吉瀬 謙二 岡本 吉央 津邑 公暁
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2009-ARC-184, no.24, pp.1-6, 2009-07-28

先進的計算基盤システムシンポジウム SACSIS2009 併設企画として,マルチコアプログラミングコンテスト 「Cell チャレンジ 2009」 を開催した.文字列の編集距離を求める規定課題部門,および各チームが自由に課題を設定できる自由課題部門の 2 部門で行ったところ,のべ 77 チームの参加を集め,盛況に終えることができた.本稿では,Cell チャレンジ 2009 の実施報告を行う.
著者
望月 祐志 中野 達也 佐藤 伸哉 坂倉 耕太 渡邊 啓正 奥脇 弘次 大島 聡史 片桐 孝洋
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.132-136, 2021 (Released:2022-03-17)
参考文献数
32
被引用文献数
2

We have been developing the ABINIT-MP program for fragment molecular orbital (FMO) calculations over 20 years. In 2021, the Open Version 2 series has started for large scale systems consisting of more than ten thousand fragments. This letter describes the current status of ABINIT-MP, including the speed-up as well as the situation of distributions over supercomputing facilities in Japan.
著者
大島聡史 金子勇 片桐孝洋
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013-HPC-140, no.33, pp.1-8, 2013-07-24

本稿では最新のメニーコアプロセッサ Xeon Phi(以下,Phi) の疎行列ベクトル積演算性能について述べる.Phi は高い演算性能およびメモリ転送性能を備えたハードウェアであり,様々なアプリケーションへの適用について盛んに研究が行われている.また Phi はその性能を従来の CPU 同様のプログラミング手法によって活用できることが重要な特徴・利点としてあげられているものの,実際にはアーキテクチャの特性にあわせた最適化の余地が多く存在することが知られている.一方で Phi はアーキテクチャとしても製品としても新しいものであるため,性能を十分に引き出すための知識や技術のさらなる共有が必要である.本稿では疎行列ベクトル積を対象としてPhiの性能を測定し,他の並列計算ハードウェアと性能を比較して性能評価を行う.なお本稿では Phi として先行提供版の Preproduction Xeon Phi を用いている.
著者
望月 祐志 中野 達也 坂倉 耕太 渡邊 啓正 佐藤 伸哉 奥脇 弘次 秋澤 和輝 土居 英男 大島 聡史 片桐 孝洋
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.106-110, 2022 (Released:2023-04-29)
参考文献数
33
被引用文献数
1

We have been developing the ABINIT-MP program for fragment molecular orbital (FMO) calculations over 20 years. Several improvements for accelerated processing were made after the release of Open Version 2 Revision 4 at September 2021. Functionalities were enhanced as well. In this short report, we summarize such developments toward the next release of Revision 8.
著者
大島 聡史 永井 亨 片桐 孝洋
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2021-HPC-179, no.9, pp.1-9, 2021-05-07

CPU の性能は計算機システムの性能を左右する重要な要素である.スーパーコンピュータやデータセンタ,クラウド計算サーバ向けの CPU としては Intel 社の Xeon が多くのシェアを占めてきたが,近年では AMD 社の EPYC や,スーパーコンピュータ「富岳」や「不老」に搭載された富士通社の A64FX など新たな CPU への注目も高まっている.本稿では,ARM アーキテクチャに基づく最新の CPU である Ampere Altra の性能について報告する.A64FX をはじめとするいくつかの CPU とベンチマーク性能を比較し,性能や特徴を評価する.
著者
伊藤 祥司 片桐 孝洋 櫻井 隆雄 猪貝 光祥 大島 聡史 黒田 久泰 直野 健
雑誌
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.117-126, 2012-01-17

前処理付き BiCGStab(PBiCGStab) 法の改善アルゴリズムを提案する.前処理付き BiCG 法に CGS 法の導出手順を適用すると,CGS 法の合理的な前処理付きアルゴリズムが構成される.この手法を PBiCGStab 法へと拡張するに当たり,BiCGStab 法に現れる MR 演算に対し論理面からの新たな考察を行い,適用できることを示した.本提案アルゴリズムが従来の PBiCGStab よりも合理的であることと,数値実験により本提案の有効性を示す.
著者
姫野 龍太郎 藤野 清次 阿部 邦美 小野 謙二 伊藤 祥司 岡本 吉史 今村 俊幸 片桐 孝洋 伊藤 利佳 中田 真秀
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

電磁界問題,量子化学計算,数値流体計算の大規模数値シミュレーションに向けて,大規模行列計算に向けた高速化,高精度化,安定化を実現し,従来手法では解きにくい問題に対する新たな求解アルゴリズムを提案した.さらに,そのようなシミュレーションを支援するために,応用問題の特性に応じたデータ構造を決定する自動チューニング技術,ジョブスケジューラによる最適な計算機資源割当て方式,任意高精度線形代数演算パッケージも開発した.
著者
塚本 智博 片桐 孝洋 吉瀬 謙二 弓場 敏嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.17, pp.55-60, 2007-03-01
被引用文献数
1

本研究では,プロセッサの省電力化を目的として,DVFS制御を利用したプロファイル情報に基づく最適化コンパイラを開発した.プログラムの稼動条件による時間的制約と電力的制約のそれぞれに対応する最適化方として,(1)実行時間の増加を許容範囲内に抑えて消費電力量を削減する,(2)消費電力量を許容範囲内に抑えてできるだけ高い性能を達成する,という2つを設定した.また,x86プロセッサが持つタイムスタンプカウンタをプロファイル情報として利用することで,オーバヘッドを低く抑えてプロファイルできることを示した.本最適化コンパイラにより,ユーザが指定する実行時間の許容範囲に対して,平均で5%程度の誤差に抑えて,プロセッサの消費電力量を削減できることを確認した.また,消費電力量の許容範囲に対しては,平均で5%程度の誤差に抑えられることを確認した.We developed an optimization compiler based on the profile information that uses DVFS control for power-saving of CPU. We set two optimization policies, to this optimization compiler :(1)optimization based on the threshold of execution time; (2)optimization based on the threshold of energy consumed. In addition, we implemented a profile option with a low overhead using the x86 processor's Time Stamp Counter into this optimization compiler. We conclude that our optimization compiler is acceptable, since it has only 5% error on average to a specified parameter threshold from users.
著者
吉瀬 謙二 片桐 孝洋 本多 弘樹 弓場 敏嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.143-154, 2005-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
9

本論文では, 機能レベルのプロセッサシミュレータであるSimCore/Alpha Functional Simulator Version 2.0 (SimCore Version 2.0)の設計と実装について述べる.SimCore Version 2.0の主な特徴は次のとおり.(1)機能レベルシミュレータとして豊富な機能を提供する.(2)C++で記述して, 2, 800行というコンパクトな実装により実現する.(3)プログラムローダの機能を分離する.(4)グローバル変数を排除して可読性と機能の向上を図る.(5)動作検証機能を提供する.(6)多くのプラットホームに対応する.(7)同様の機能を提供するSimpleScalarツールセットのsim-fastと比較して19%の高速化を達成する.